今日から始める販促テク

6.マンパワーで販促

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広義の販促において人的販売は、広告・宣伝やPR活動と並ぶ重要な要素です。
人的販売とは 、営業担当者や販売スタッフから顧客への、直接的な販売活動のことです。
人の販売力は、意識の持ち方ひとつで劇的に向上することもあります。
まずはすべてのスタッフで、販促という意識を共有しましょう。

営業担当者の販促

営業の役割は、単に商品を売り込むだけではなく小売店の販売をサポートすることや、市場の生の声を各担当者にフィードバックすることです。
商品の案内や説明を通し(時にはそれ以外の話題も盛り込みながら)、顧客と直接的なコミュニケーションを図りましょう。双方向の会話の中から、顧客の要望や不満、競合情報などを把握することができます。
その解決策を見つけ出し提供していくことが、売上に繋がっていくのです。

販売スタッフの販促

販売スタッフの役割は、商品を売ることでお客様に満足感を提供することです。
小売店において費用をかけずにできる一番の販促は、販売スタッフの接客力向上です。
接客とは、お客様と会話をすることではなく、会話を通じて商品を販売することです。
まず笑顔。そして話し方や言葉の選択、声のトーン、アフターフォロー、意識の持ち方など、それらすべてが売上のプラスになっているかを改めて見直してみましょう。

☆会話のポイント

商品を販売するための会話に必要なものは、正しい言葉遣いとポジティブな台詞です。
商品とそれを勧める自分への自信を会話で表すことによって、お客様の信頼感を高めます。シチュエーションごとのポイントを押さえ、ロールプレイングで練習するのもスキルアップに効果的です。但し、いかにものマニュアルトークにはならないように注意しましょう。個々のお客様と向き合って対話を楽しむことが、良い接客へ繋がります。

・プラス言葉を使用する

同じ内容の伝えるのにも、消極的なマイナス言葉ではなく、積極的なプラス言葉を用いるようにしましょう。丁寧な言葉遣いは接客の基本ですが、低姿勢すぎては、自信がないかのような印象になります。自信を持って声かけすることが大切です。

例)○『ぜひ一度お試しください』
×『よろしければお試しください』

・最後はメリットで締める

どうしても商品の欠点を伝えなければならない場合には、先にデメリットを述べて、後からメリットで補いましょう。同じ二つの事実を伝えるのにも、順序が逆になることで大きく印象が異なります。

例)○『少し重いですが、その分保温力が強いです』
×『保温力は強いのですが、少し重いです』

・ネガティブな反応に応酬する

声をかけたお客様にネガティブな発言で断られそうになった場合、すぐに諦めずにもう一声かけてみましょう。お客様の断り文句にはパターンがあるので、切り返しの台詞を予め用意しておくと安心です。
積極的なお客様だけを待っていては、販売の機会は半減してしまいます。消極的なお客様こそ接客力で対応しましょう。

例1)お客様『急いでいるので結構です』
対応 『お時間はとらせませんから、ぜひこちらの新商品をご覧ください』

例2)お客様『私には操作が難しそう』
対応 『簡単マニュアルをご用意しております。すぐに慣れられますよ』

・代案を用意する

せっかくのお客様の要望に、欠品などでお応えできないことがあるかもしれません。
その場合にも『品切れです』『販売終了しました』などの台詞だけで終わらせてはいけません。必ず対応策や代わりの提案を示すようにしましょう。

例1)お客様『急ぎで必要なのに、注文になるのですか?』
対応 『今週中の入荷を予定しております。入荷次第ご連絡致します』

例2)お客様『この商品が欲しかったのに売り切れですか?』
対応 『完売してしまいましたが、同じシリーズの新商品がこちらです』

☆クロージングのコツ

接客におけるクロージングとは、お客様に購買の意思を決定してもらうための最後の台詞です。この一言で、会話が接客として機能するか否かが決まります。
一方的に押しつけて「買わせる」ためではなく、お客様の「買いたい」気持を後押しするための台詞であることを意識しましょう。

・きっぱりと言い切る … はっきりと断言することで、説得力を高めます。『?だと思いますよ』などの曖昧な言葉遣いでは、お客様の決心がつきません。プロとして自信を持った意見を述べましょう。

例)『こちらの方がお似合いです』『お薦め商品はこちらです』

・事例や実績を伝える … 第三者の事例や自分の使用感、過去の販売事例などを伝え、安心感と信頼感を高めます。大げさな表現は避け、事実をそのまま伝えましょう。

例)『プロの○○さんも使っています』『前回入荷時は三日で完売しました』

・購入後を想像させる … その商品を購入することで得られる利益を、具体的に伝えましょう。購入して実際に使用したかのようなイメージが喚起できれば成功です。

例)『明日からイメチェンできますね』『仕事が楽になりますよ』

・優越感を抱かせる … その商品やその店にとってそのお客様が特別な存在であることを伝えましょう。褒められたり特別扱いされたりして、嫌な気持ちになる人はいません。但し、いかにもなお世辞は逆効果になる場合があるので注意しましょう。

例)『こんなにお似合いになる方は初めてです』『お得意様だけにお分けします』

☆電話対応

声のトーンや発声の仕方も、接客の印象を大きく左右する重要なポイントです。
特に電話での会話は、顔が見えないだけに「声の表情」に注意する必要があります。
普段よりワントーン高めの声で対応するのが基本です。

電話の印象は、そのまま店や会社の印象となります。敬語などの言葉遣いを正しく、誠意を持った受け答えを心がけましょう。回数をこなすほど上達するので、積極的に電話に出るようにするのも効果的です。
また、各スタッフの対応にぶれがあるとお客様の信頼感を損ねるので、マニュアルを完備しておくと良いでしょう。基本的な事柄も、再度確認しておきます。

  • ・できるだけ3コール以内に出る
  • ・社名と名前をはっきりと言う
  • ・きちんと聞いていることが伝わるあいづちを打つ
  • ・伝言や記録が必要なことは、復唱して間違いなくメモをとる
  • ・最後に来店を促し、お礼の言葉を述べる

☆売上予算の把握

販売スタッフは、商品を売ってさえいればいい。そのような意識では、どんな販促も成功させることはできません。店の売上予算と販促計画は、スタッフ全員で共有するようにしましょう。予算達成のための数字を各スタッフに落とし込むことで、責任感とやりがいが生まれます。
辛いノルマとしてではなく達成することを楽しむための数字は、販促意識向上の原動力となるでしょう。

☆接客のコミュニケーションツール

接客を担当する販売スタッフは、自分自身を売りにすることで顧客を引きつけることができます。お客様に顔と名前を覚えてもらえ、コミュニケーションにも役立つ。
そんなツールを作成し、活用していきましょう。

・ネームカード  … ビジネスマンにとって名刺は、欠かせない販促ツールです。
白地にスミのシンプルなものが一般的でしたが、最近では、カラー写真やイラストなどで個性を出したものも多く見られます。
名刺はきちんとした挨拶と共に渡せば、簡単に捨てられないものです。その利点を生かして、取引業者にだけではなく、お客様にも名刺を渡してみましょう。
会社仕様のものをアレンジするか、お客様用にオリジナルカードを作るのも良いでしょう。ユーモアのある自己PRや似顔絵、お客様へのメッセージを記載するのがポイントです。読んで楽しい名刺で、お客様に印象付けましょう。
変形サイズにしたり、OPP袋などの透明袋に入れるなどして、目先を変えるのも効果的です。

・ショップカード … 店の情報や連絡先、商品の案内、スタッフ紹介などを記載したものがショップカードです。店で配ってお客様の再来店を促したり、近隣他店などに設置するフライヤーとしても利用できます。
思わず持ち帰ってコレクションしたくなるほどデザイン性の高いものや、次回来店特典などのクーポン付きなら保存性も高くなり、販促効果が高まります。

・サンクスカード … 披露宴会場などでよく用いられるお礼の言葉を綴ったサンクスカードを、来店のお客様に渡してみてはどうでしょうか。
感謝の言葉に自己PRを添えて渡せば、プライベート感も高まります。
店の顧客を個人の顧客にすることで来店頻度や定着率が高まり、ひいては店の売上アップに繋がります。

社内向け販促

販売コンテストや研修会といった社内向けの販促は、営業部員や販売スタッフの、販売意識の向上やスキルアップのための有効な施策となります。そこから生じるやりがいや達成感は、仕事の効率アップに貢献し、売上アップへと繋がるでしょう。
但し、社内にいるのは営業部員や販売スタッフだけではありません。報奨金などで一部社員だけを盛り立てることで、他部署の社員のモチベーションが下がっては業務に差し支えが出る恐れもあります。実施の際には、充分な配慮が必要です。

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