売れる!売場づくり

2.商品陳列の基本 どうやって見せるか

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◇お客様の立場から考えてみましょう

買い物をするためにお店に行くとします。

お店の入り口から入った後は、店内をどのように歩くでしょうか?

目当ての商品が店内のどこにあるかわかっている場合と、目当ての商品がどこにあるかわからない場合、特に何を買うかあらかじめ決まっていない場合などシチュエーションによってその歩き方は違ってくるでしょう。

目当ての商品があっても、目当ての商品が無くても、何か良いものが無いかと無意識のうちに店内のあちらこちらを見て回り、商品を購入したくなるような商品の並べ方・見せ方が重要になってきます。

◇通路の設定

お客様が店の入り口から入った後、どう動くでしょうか。

まずお客様の動線を考えてみましょう。

入り口から入る→店内を歩く→商品を目にする→手にとってよく見る→購入を決める

この一連の流れがし易い通路の設定を考えなくてはなりません。

・主通路をどのように設定するか

通路のとり方の代表的なパターンを三つ見てみましょう。

上記のパターンは、コの字をベースに間に通路を増やしていったものです。

広さのある店舗ではまず主通路をどのように設定するかが重要です。

店の入り口から奥まで、無意識のうちに煩わしさを感じること無く、商品を眺めながら進んでいける通路設定が理想です。

店の奥まで進んでもらわないと、せっかくの商品を目にしてもらうことすらできません。

また、店内のあちこちで様々な商品を見た後に、「あの商品の場所に戻ろう」と思っても、

どう戻ればよいか場所が分からない…ではせっかくの購買意欲がそがれてしまいます。

主通路はあくまでシンプルに、まっすぐ、わかりやすく設定する必要があります。

・通路の幅も重要

商品を探すために歩く通路が、歩きにくかったら購買意欲も失せてしまいます。

あそこに自分の欲しい商品があるのに、通路が通りにくくて商品を手にできないからあきらめた、となってはせっかくの売り上げの機会を逸してしまうことになります。

店内の通路が歩き易いものであるためには、幅の確保が必要です。

見通しの良さが求められる主通路においては、一本の通路で大人が3人横並びで歩ける幅が理想です。

具体的には一人60センチと考えて180センチは確保したいところです。

それだけの幅があれば、向かって右側・左側それぞれの陳列棚を見るために人が立ち止まっていても、その間をもう一人が通り抜けることが出来ます。

また、店によってはベビーカーを引いたお客様や店舗用のカートを引くお客様が多いという傾向のある店では、ベビーカーやカートの通り抜けが容易な通路の幅の確保が必要です。

◇通路に沿った陳列

通路の設定が出来たら、その通路に沿って商品をどのように陳列するのかを考えていきましょう。

陳列において一番意識すべきなのは「いかに商品がお客様の目に入るか」です。

お客様が通路を歩いていて、商品が視野に入りやすいよう通路に沿って棚を設置し、商品を見やすい位置に並べることが必要です。

◇集視ポイントを考える(高さ)

商品を陳列棚の上から下まで並べてあっても、どこまでその存在を認識出来ているでしょうか。

お客様は歩きながら見るのですから、当然「目のつき易い場所」とそうでない場所が高さによって生じてきます。

この高さによって注目しやすい場所・目につき易い場所「ゴールデンスペース」あるいは「ゴールデンゾーン」が売り場にはあります。

※ゴールデンスペース(ゾーン)とは

地面からの高さ75センチ〜135センチのあたりが、自然な視線の向きを考慮した時に、商品の存在が最も目に入ってきやすい高さとされています。その高さの陳列棚の幅をゴールデンスペース(ゾーン)というのです。

ただし、玩具やお菓子など子供が主体となって選ぶ商品の場合は、そのゴールデンゾーンをもう少し低く考える必要があるでしょう。

同様に、男性が主な購買層であると見込まれる商品にとってのゴールデンゾーンは、もっと高い位置が考えられます。

75〜135センチという高さはあくまで一般的な目安と考えましょう。

◇たて割り陳列⇔よこ割り陳列

人は商品が並ぶ棚をどのように見ているでしょうか?

棚の下から上へとみていますか?右から左に見ますか?

一般的に、人の目の動きは左から右、下から上へと動く傾向があると言われています。

その点を踏まえ、見逃しをなくすために縦と横を意識した陳列も重要です。

例えば食品売り場で、調味料を選ぶとしましょう。

しょうゆ・みそ・甘味料など同じ性質の商品が縦に分類されて置かれているのと横向きに置かれて陳列されている場合、どちらが選びやすいでしょうか?

※一度に目に入る限界の幅

人が陳列棚の正面に立ったとき、顔の向きを動かすことなく視認出来る角度というのは限られています。

ぱっと見て目に入る横幅は90から120センチです。

この幅を超えて同種の商品が陳列されていたとしましょう。

「よく見たらまだ横の方にも同類の商品があった(見のがしていた)」という経験はありませんか?

ゴールデンスペース・横幅などあらゆる要素を踏まえて商品を陳列しなくてはなりません。

◇商品の陳列方法

陳列棚の設置・縦や横幅の認識をしたら具体的にどうやって商品を並べるか?どうやって見てもらうか?を考えていきましょう。

選びやすい陳列のためのポイントには以下のことが挙げられます。

・商品の分類がはっきりしていること

・どこにあるかがわかりやすいこと

・なにがおすすめか・お得か一目でわかること

このポイントを踏まえたうえで、それぞれの商品の良さを一番にアピールできる並べ方を考えましょう。

◇陳列の種類

商品の性格・価格帯等により様々な陳列の方法があります。

?ケース陳列

時計やアクセサリーをガラスケースの中に並べて、お客様が手にとって実物を確かめたいときには店員に取り出してもらって確かめる、という陳列の方法です。

洋菓子・和菓子などでもこの陳列方法が使われています。

?オープン陳列

ショーケースなどに商品を並べる点はケース陳列と同じですが、そこに陳列された商品を店員に取り出してもらう必要が無く、自由に触れることが出来るのがオープン陳列です。

衣類・食料品・文具・…ありとあらゆる商品がこの方法で陳列されています。

常に多くのお客様が自由に触れることが出来て、気軽に選びやすいという利点はありますが、一方で陳列が乱れやすいという点もあるので、陳列をきれいに保つ作業も必要になってきます。

?サンプル陳列

在庫は複数ある商品でも、店頭で実際に触れることのできるものは一つに限り、そのサンプルを手に取ったり見ることで商品の購入を決めてもらう陳列の仕方です。

携帯電話の販売でなじみがあるかもしれません。

店側にとっては、たくさんの商品を店頭に並べる必要が無く、常に在庫を管理しながら販売できるというメリットがあります。

お客様にとっても、商品を実際に手にとって確認したうえで購入を決められ、実際に購入の際にはまだ誰の手にも触れていないきれいな状態の商品を購入できるというメリットがあります。

?ハンガー陳列

衣類のように畳んで陳列してはその大きさや質感・着用イメージがつかみにくいという商品はハンガーにつるして陳列します。

?平台陳列

文字通り平台の上に商品を積んで陳列する方法です。

衣類などの場合には複数枚積み重ねて陳列することもできます。

衣類の場合は、一枚をハンガー陳列して、その近くに同じ商品を畳んだ状態で陳列しておく、という方法がよく使われています。

またお酒などのように積み重ねできない商品には、不向きな陳列方法でもあります。

◇積み方・量・フェイシング

商品を陳列する方法のほかに、多数の商品をどうやって積んだり、棚につるしたり、あるいはどれだけの量を店頭に置くのか、商品のどの面を見てもらうのかを考えなくてはなりません。

・積み方

商品によっては大量に積み上げるのには不安定な形状の物もあります。

卵のパックがたくさん積み上げられていて、そこから1パックとるのに神経を使った経験はありませんか?

あるいは陶器のように間違うと割れてしまうような品物が積み上げられていて、興味はあるものの、「割ってしまったら困るから」と手に取ることをやめてしまったことはありませんか?

積みにくい商品をどれだけ注意を払って積み上げて陳列しても、選ぶ側にとっても選びにくいのです。

商品の形状に合わせた積み方を考えましょう

・量

ジュースを陳列する際に、たくさんの種類のジュースを各同数ずつ陳列しますか?

それとも売れるジュースは多く、あまり売れないジュースは少なく陳列しますか?

同じ種類の商品であっても日頃からの売り上げ数を正確に把握して、その数に比例させた陳列数を考えましょう。

たとえば、月間でPETボトルのお茶が100本・ジュースは50本・炭酸飲料は30本売れていたとします。

その場合にはこの販売数に比例して売り場におく量を10対5対3で置いてみると効率的です。

・フェイシング

商品のどの面を見せることで商品の情報が正確にぱっと見て伝わるかを考えて並べなくてはなりません。

商品のラベル・パッケージを一番目につき易い向きにならべる、家具などのようにその商品の形状がわかりやすい置き方を考えるなど、商品をただ店頭に並べるのでなく、見やすい工夫をしましょう。

◇ゴンドラエンドを生かす

陳列用の棚の端のことをゴンドラエンドと言います。

この場所はお客様から目につき易い場所であるため、商品をどのように置くかによって店の印象が大きく左右される場所です。

今一番売りたい商品・こだわりをアピールしたい商品・季節商品など、お客様に目にしてほしい・手に取ってほしい・売りたい商品を楽しく工夫を凝らして陳列しましょう。

◇真新しさ・楽しさの演出

・コーディネイト陳列

商品をその機能で分けてそれぞれの売り場に陳列するだけでなく、ある生活の場面を考えて、その場面に必要となりそうな・あったら良さそうな商品を複数組み合わせて陳列する方法です。

例えば行楽シーズンにハイキングに出かける場面を想像して、帽子やレジャーシート、ランチボックス、虫よけ、リュックサック、防寒着等をハイキングの一場面を連想させるようマネキンなども使って陳列してみます。

単品ではその商品を購入することで得られるベネフィットが思い浮かびにくい商品も、場面を見ることでより想像しやすくなります。

また、合わせて陳列してあると、そのうちのどれか一つを購入するつもりで来店したお客様が、「あわせてこれも」と一緒に購入する可能性が高まります。

・カラーグルーピング陳列

様々な商品を機能やその使用目的で分けて陳列するだけでなく、商品の色が同じという基準だけで分けて陳列してみるのはどうでしょうか。

生活用品を扱う売り場で、クッションはあちら、スリッパはあちら、と別々の場所に置くのではなく、赤いクッション・赤いスリッパ等赤いものはここ!とまとめて陳列するのです。

見た目の印象が色別にするとすっきりしてきます。

・カラーストライプ陳列

カラーグルーピング陳列と同様に、商品の色を元に陳列する方法ですが、高さを生かして縦に陳列する方法です。

店内の壁面に縦一列に同じ色の商品を並べることで、整然としつつ、華やかな雰囲気を演出することが出来ます。また空間の広さを印象付けることも可能です。

お客様も同じ商品でもカラーバリエーションがあることが一目でわかって、商品を選ぶことが楽しくなります。

◇売り場ケアの仕方

・前出し

商品が常に棚いっぱいにしておくには相当の仕入れ量が必要になり、廃棄ロスの危険性も発生してしまいます。

適当な仕入れ量でも、品薄感を感じさせない心配りを常にしましょう。

その一つが商品の前出しです。

※お客様から見たときに欲しい商品が手前に豊富にあるようにしておく

商品の上部に空きスペースがあると「品薄感=ガラガラした印象」を与えてしまいます。

そんな時は、商品を手に取りやすい一番手前に積み上げる「前出し」をします。

商品が手に取り易いだけでなく、後ろの空きスペースが目につきにくくなり、「商品の豊富さ」を印象付けることが出来ます。

・ストック陳列

季節商品や、短期に集中して販売したい商品の場合、商品の在庫をすべて店頭に積み上げて陳列してしまいます。

陳列した商品の一番上にはサンプルを一つ、手に取り易いように置いておきます。

陳列棚に置くのではないため、前出しの必要はありません。

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