印刷について

1.印刷の基礎知識

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● 印刷とは

JIS(日本工業規格)では、印刷とは「印刷物の製造及び加工にわたる工程の総称」と定義しています。そして備考として「狭義には画像・文字などの原稿から作った印刷版の画像部に印刷インキを付けて、原稿の情報を紙などの上に転移させ、多数複製する技術の総称」としています。しかし近年、印刷における印刷版は、コンピュータの飛躍的進歩に伴い「デジタル化」の動きが活発になりつつあります。印刷の前工程である印刷版を作成する工程(有版印刷)では、印刷業界のデジタル化の象徴ともいえるDTP(Desk Top Publishing)、CTP(Computer To Plate)の導入・普及が急速に進んでいます。また、印刷工程においてもデジタル化が進み、印刷版を使用しない電子写真方式・インクジェット方式による印刷(無版印刷)が採用されるようになってきています。これらを要約すると「印刷とは原稿を複製する技術」「印刷物とは印刷により作られたもの」ということができます。

DTP
パソコンなどを利用して、印刷物の企画・デザイン・版下作業等を行うこと。

CTP
パソコンの画面上で出版物を作成することで、作成した印刷用のデジタルデータからフィルムを経ずに刷版を作って印刷する方式→ダイレクト印刷。

● 印刷の歴史

印刷は複製技術として昔から活用されています。世界では7世紀ごろから中国で木版印刷が始まり、日本では770年ごろ「百万塔陀羅尼」が作成され、法隆寺に保存されています。

1450年頃、ドイツ人のヨハン・グーテンベルグが活版印刷技術の発明をしたことで、印刷技術の進化が始まりました。その後、1798年、ドイツ人のアイロス・ゼネフェルダーにより平版印刷技術の原理が発明されました。現在の平版オフセット印刷はこの応用編としてアメリカのルーベルによって発明されたと言われています。印刷技術は古い歴史を持ちますが、平版オフセット印刷は、発明されてからまだ100年ほどしか経っていません。しかし、この100年間に、印刷技術の向上や印刷機、紙、インキの性能面や品質面での進歩により、印刷物の有用性・利便性は評価されてきています。

● 印刷の構成要素

印刷物を作るための印刷の主な構成要素は、原稿・印刷版・印刷インキなどの色材・印刷機械・被印刷物(紙・布地・プラスチックフィルム・木材・金属など)の5点です。

◎原稿がデジタルデータ化されている場合、版は目に見える物理的なものだけではありません。

● 印刷目的による印刷の分類

印刷物の種類は、目的によって大きく5つに分類されます。

#1# 出版印刷

出版社や新聞社などが発行する商業出版物(書籍、雑誌、地図、教科書、学習参考書他)に対応する印刷分野をいいます。研究機関や団体が発行する書籍類も含まれます。

#2# 商業印刷

一般企業や団体の事業活動に使われる印刷物を対象とする印刷分野で、宣伝用印刷と業務用印刷に大別されます。
・宣伝用…チラシ、パンフレット、リーフレット、ポスター、POP他
・ 業務用…カタログ、会社案内、マニュアル、報告書、説明書、広報誌、社内報、名簿他

#3# 事務印刷

名刺、ノート、封筒、手帳などの事務用品一般と、伝票やビジネスフォームを印刷品目とする印刷分野です。市販品は事務用品メーカーが印刷して文具店や書店で販売されますが、特注品の印刷加工は一般印刷会社で対応しています。ただし、複合伝票やビジネスフォームの印刷加工については専業化しています。

#4# 証券印刷

株券、商品券、チケットなど、金銭や信用にかかわる証書類やカード類の印刷を証券印刷と総称します。総じて特殊な技術要素やノウハウが伴う印刷分野です。

#5# 包装その他特殊印刷

包装紙、紙器、ダンボール箱といった包装、荷作り資材の印刷と、工業製品に対する印刷(建材や布地へのプリント柄の印刷、電気・電子部品に対する印刷など)を総括した印刷分野です。印刷方法は、特殊印刷に分類される各種の印刷方式が使われます。

【印刷目的分類イメージ図】

印刷目的分類

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