印刷についての豆知識

5.紙の種類

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印刷につかわれる紙にはさまざまな種類があります。紙には細かい銘柄があり、製造している製紙会社から紙見本が出ています。
紙には、平滑度、白色度、吸油度、強度、紙の目などいくつかの属性があります。

平滑度とはどのくらい紙の面が平らなのかです。触るとザラザラした感じのするものは紙の平滑度は低くなります。しかし、カラーで印刷されたポスターなどは表面が平らです。平滑度は印刷にとって重要な属性で、平滑度の高い紙のほうが印刷適性は良いものになります。印刷の版からインキが紙面にきれいに転写されるので、印刷物の仕上がりが良くなります。

白色度はどれくらい白いのかという度合いをいいます。純粋な白に近ければ近いほど美しい表現が可能です。原料のパルプはもともと白くなく、白くするためには、白い顔料を塗り、漂白しています。白くするために顔料を塗っている紙のことを「塗工紙」または「コーテッド紙」といい、何もしていない紙のことを「非塗工紙」または「非コーテッド紙」といいます。

吸油度は印刷インキのような「油性の材料を吸い込む力」のことをいいます。吸油度が高いとインキが紙に急速に吸い込まれてしまい、光沢がなくなります。しかし、吸油度が低いと、光沢は出るが、乾燥に時間がかかり、ほかの紙にインキがついてしまうといった問題が起こります。吸油度は印刷会社がもっとも気にする属性のひとつです。

強度は紙としての強さの度合いをいいます。輪転印刷機で使う紙では引っ張り強度が必要だからです。

紙の目とは紙の目にタテ目とヨコ目があり、紙をすいたときの繊維の方向が全紙サイズの紙の長辺に平行なのをタテ目、短辺に平行なのをヨコ目といいます。製本するときは、本の上下方向と紙の目をあわせる「順目」で使うのが原則で「逆目」だと本が開きにくくなったり、波打ったりしてしまい不向きです。

▼ 紙の種類その1

印刷用紙A(上質紙) 印刷用紙B(中質紙) 印刷用紙C・D(下級紙)に分類されています。

上質紙
上質紙は化学パルプだけを原料にした紙で、非塗工紙の中でもっとも白色度が高い。
用途としては、単行本の本文用紙や、雑誌の本文部分に使われます。

中質紙
中級紙とも呼ばれ、標準的な白色度と強度をもった紙です。用途としては、普通の単行本の本文用紙や、雑誌の本文部分で使われます。

下級紙(上更紙・更紙)
白色度、平滑度、強度が非塗工紙の中で一番劣った紙です。新聞や漫画週刊誌などで使われます。

▼ 紙の種類その2

アート紙
上質紙または中質紙の上に白土などの顔料を塗り、艶出し機にかけて仕上げた紙です。塗料の塗工量が両面で40g/?前後の紙をいいます。美術書やカレンダーなどに使われます。
アート紙の中にはエンボス加工をしたエンボスアート紙や塗料の材質を変えて艶を消したマッチアート紙などもあります。

コート紙
上質紙や中質紙に塗る塗料の塗工量が両面で20g/m2前後の紙をいいます。カラーのDM(ダイレクトメール)やチラシなどに使われます。

軽量コート紙
上質紙や中質紙に塗る塗料の塗工量が両面で15g/m2前後の紙をいいます。カタログ、チラシ、雑誌本文などに使われます。

▼ 紙の種類その3

クラフト紙
クラフト紙は、印刷用紙とは別に包装用紙として分類されています。
包装用の紙なのでくるんでも破れにくいように、また引っ張り強度を高くするために、繊維の長いクラフトパルプを原料にした紙です。もともとは、薄い褐色をした紙です。
白色度が劣る欠点を補うために漂白したクラフト紙もあります。大手の百貨店では、十分に漂白して図柄を印刷したクラフト紙を包装紙に使われます。

ロール紙
ロール紙も印刷用紙とは別に包装用紙として分類されています。
クラフト紙に艶出し加工をした紙をロール状に巻いた紙です。

板紙
板紙も印刷用紙とは別に板紙として分類されます。
厚手の紙で、黄色ボール、白色ボール、ダンボールなどがあります。ダンボールは圧力に強く、強度も高いので輸送用に使われます。

特殊紙・加工紙
印刷用紙以外にも食品包装、剥離紙、印画紙、ラミネート、静電記録紙など、特殊用途に使用する紙があります。
上記の紙を使用すると紙による単なる印刷表現を越えた、多彩な特性を持つ印刷再現を得ることができるようになります。

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