印刷についての豆知識

4.印刷種類

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印刷種類その1

凸版印刷

凸版印刷はもっとも古くから行われている印刷方式です。ハンコのような凹凸のある版を作り、突出した部分にインキをつけて紙に転写する方法です。
凸版印刷の版には、鉛や亜鉛といった金属を使った活字や、ゴム印のようなゴム凸版、樹脂凸版などがあります。
凸版印刷で印刷物に写真を入れる場合、写真を平版印刷と同じように網点化したフィルムを作り、そのフィルムを鉛版に焼き付けて現像します。このあと、硬い金属を削って、凹凸を作ります。
このため、細かい線などが出しにくくなります。また、写真や図版を修正する際にも、簡単には直せません。こういったわずらわしさはオフセット印刷が解消してくれます。
フレキソ印刷はフレキシブルな弾性のある版(樹脂とゴム版)を使用します。ダンボールやラベル、プラスチックフィルムなどの印刷に使われます。版がやわらかいのでダンボールのように表面が多少ザラザラしていても印刷できるのが特徴になります。
フレキソ印刷で使用するインキは水性です。インキに有機溶剤を使用しないので環境にやさしい印刷といわれます。

印刷種類その2

オフセット印刷

現在、主流の印刷方式といえばオフセット印刷です。オフセット印刷は平版印刷ともいいます。オフセット印刷で使用する刷版は一見凹凸がなく、平らに見えるからです。
平版といっても平らではなく、数ミクロンではありますが凹凸がついています。しかし、このままではインキをつけたい部分とつけたくない部分の区別が付きにくくなります。平版印刷は水と油が反発しあう性質を利用して、画線部(インキをつけたい部分)と非画線部(インキをつけたくない部分)を分けます。
平版印刷の刷版はPS版という親水性をもたせたアルミプレートを使用し、このPS版に画線部のある網ポジフィルムを重ねて露光します。露光した部分が親油性となって水をはじき、インキは油性なので親油性となった画線部につきます。
転写胴にインキを移し、転写胴から紙にインキを転写することで印刷していきます。
豆知識としては、版から転写胴へインキを移すことを「オフ」するといい、転写胴から紙にインキを移すことを「セット」というため、オフセットという名称になっています。

印刷種類その3

スクリーン印刷

スクリーン印刷とは、画線部に孔をあけた版を通して紙にインキを転写する印刷方法です。
ガリ版刷りなどと同じ、版に孔をあけ、その孔を通してインキを紙に転写するので「孔版印刷」と呼ばれています。
スクリーン印刷では木または金属製の枠に絹、ポリエステル、ナイロンといいた繊維でできた布やステンレスなどのスクリーンを貼り、スクリーンの表面に感光材料を塗布または接着をしておき、ポジフィルムをスクリーンに露光してインキを通さない部分をつくりだし、このスクリーンの間からインキを転写します。
スクリーン印刷は孔を通して印刷するので、細かい写真表現には向いてません。
しかし、大きな面積の印刷が可能であり、平面だけでなく局面への印刷が可能です。
また、紙以外の多様な媒体に印刷できるメリットがあります。

印刷種類その4

グラビア印刷

グラビア印刷とは週刊誌の巻頭のカラーページの写真のこと縮めたいい方になります。
グラビア印刷は、広い意味で凹版印刷に分類されます。凹版印刷というのは、印刷版のへこんだ部分にインキをつけて、紙にインキを転写する方式です。版面を四角または丸いマス目(セル)に区切り、そのセルを写真の階調に合わせて凹みをつけ、この凹みが深いとインキの量が多くなり、浅いとインキの量が少なくなります。
メリットとしては、画像の階調再現が非常に良いことです。階調をインキの膜厚で調整し、版に刻まれたセルの深さがインキの膜厚となります。凹版ではセルの深さを無段階に調整できるので非常になめらかな階調再現が可能です。そのため、品質の高い写真の表現にグラビア印刷が使われます。
デメリットとしては品質が高い反面、費用がかかります。オフセット印刷の版は薄いアルミ版ですが、グラビア印刷では版に硬い銅板を使用し、メッキ加工まで必要になるからです。
オフセット印刷に比べるとかなり高価であり、そのためとくにきれいな写真表現を求める場合にしか利用されません。

カラーの基本とは

色の3原色は「赤・青・黄」です。そのうちの2つの色を混ぜると別の色ができます。3色を全部混ぜると黒になります。この表現方法は減法混色といい、印刷の色表現と同じになります。ただし、実際の印刷では、この3色に色を引き締めるための墨が加わり、基本的には4色で表現します。
光の3原色は「赤・緑・青紫」ですべてを混ぜると白になります。この表現方法を加法混色といい、カラーテレビの発色方法がこれに当たります。スキャナで写真を読み込む際にもこの方式を使用しています。
カラー印刷に使用するインキはシアン・マゼンタ・イエロー・ブラックの4色を使用し、印刷用語ではCMYK(シーエムワイケー)といいます。
CMYKのインキで4回刷り重ねてカラーの印刷物が出来上がります。そのため、カラー写真をカラー印刷する場合には必ずこのCMYKにします。
この4色のインキはセットであり、プロセスセットインキといいます。ちなみに墨はBでなくKであらわします。
その理由としては、RGB(赤、緑、青)という印刷用語の青(ブルー)のBと間違えてしまう恐れがあり、BはつかわずにBlackの末尾のKという文字を使っているといわれています。
また墨は印刷のときに大事なキー(Key)になる色だからKという文字を使うという理由もあるようです。

色の濃淡を表現する網点

滑らかに色の濃淡がかわっていく写真を印刷では点をならべて色の濃淡を表現しています。距離をおいて全体をみると濃淡の変化に見えます。
オフセット印刷では、モノクロ写真の明暗の階調やカラー写真の色調を表現するときには必ずこの方法が使われます。
これを印刷用語で網点と呼びます。
この網点は均一の大きさに打たれているのではなく、写真の明るい部分は暗い部分の網点よりも小さくしています。
網点の細かさを表わす単位は「線数」といいます。
網点はランダムにならんでいるのではなく、一定の間隔でならんでいて、その網点の列(線)が1インチ当たりいくつあるかで印刷の細かさを表わしています。線数をいくつかにするかで印刷の品質が決まります。
線数が多いほど、滑らかな写真を印刷することができます。

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