2011年の包装業界

7.包装機の高速化・汎用化や印刷機のオンデマンド化

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包装機は、高速化と汎用化の2極化に進んでいます。前者はビールやタバコのような大量生産用途に、汎用化は多品種な包装形態に対応でき、操作も簡単で、且つ保守・点検も容易な方向に進んでいます。そして、電気で機械を動かすという日本が得意とする「メカトロ」機が主流になっています。また、コンピュータ制御により、寸法変更が容易になり、学習型コンピュータだと、初期条件設定が可能でロスを最小限に抑えることができます。更には、ロボットの進展も目をみはるものがあります。印刷機ではオンデマンド化が要請されています。

1節:包装機を代表する充填包装機、縦型ピロー包装機、横型ピロー包装機

包装機は、充填包装機、縦型ピロー包装機、横型ピロー包装機等が包装機を代表します。
1.充填包装機 
粘体、粉体、顆粒体、固液混合体等を上から落下させる方式と、固形物を機械的に横や斜めから差し込む方式があります。また、コーヒーやお茶飲料、通常90数度までの熱を上げ、殺菌しながら充填します。このように、中身によって充填方法が異なります。
2.縦型・横型ピロー包装機(ピロー:枕の形を言う)
袋・容器を作り、商品を入れる包装システムとして、袋を作って充填する縦型ピロー包装機と、包みながら包装する横型ピロー包装機の2種類があります。
縦型ピロー方式は、フィルムを円筒状にして、胴部を熱シールして、内容物を上から落下させ、充填・シールします。液体、粉体、粘体、自重のある菓子に適しています。
横型ピロー包装機は包装機を代表するものです。固形物であればどのような形状でもキレイに包装ができます。また、他の機械とのラインを組む際の中心になる包装機です。
3.製袋・充填・封緘一貫生産包装
包装機の高速化・効率化を進めていくと自動化になります。その典型が製袋・充填・封緘?全自動で行う一貫生産包装機であるFFS機(Form Fill Seal)です。その特徴は
#1#多列化することで、高速で安定した製品が生産できる。
#2#原材料から直接製品ができるので、コスト競争力が抜群に強い。
#3#無人で生産でき、人が介在しないので、衛生的に生産できる。
#4#遠隔操作で生産できるので3K職場での包装が可能。
用途は、コーヒークリーム、乳酸菌飲料や医薬品では錠剤、カプセル剤などです。

2節:無人化(包装用ロボット) 

労働人口の減少が現実的になる現在において、人間に代替する強力な助っ人として、産業用ロボットは昨今急速な発展を遂げつつあります。包装業界でも、ファナックや安川電機等の有力ロボットメーカーで、包装用ロボットの開発に力が注がれています。
ある国際食品技術展でのパラレルリンク式ロボットのデモンストレーション
ドイツのあるロボットメーカーの「食肉ロボット包装ライン」は、容器が自動的にパレットから取り出され、ロボットの手が中の精肉を取り出し、包装用トレーに置き、トレーを密閉し、次に、密閉接着部分のコントロールが行われ、食品表示が付けられ、容器にロボットが食品を詰め、容器は自動的にパレット積みされると言った一連のロボット・オペレーションのデモンストレーションを行いました。このロボット・オペレーションで最も注目されたのは、品物の向きを変えてひねるといった人の手と同じ柔軟な作業を可能にする「パラレルリンク式ロボット」でした。このロボットは複数のアームを並列に接続した構造で、先端部が高速且つ複雑に動くので、これまでロボットの活用が進まなかった食品、医療機器、部品組み立て等の幅広い分野で益々活用されていくと思われます。

3節:印刷機のオンデマンド化

印刷業界ではオンデマンド印刷機の開発が要請されていますが、厳密な意味で、オンデマンドの要請に応えられる印刷機はまだ開発されてはおりません。
そもそもOn Demandとは、必要なときに、必要なものを必要なだけ印刷できるという意味であります。オンデマンドを巡っていろいろな議論がありますが、間違ってはいけないことは、オンデマンドとは印刷のあり方を示す用語であって、印刷技法を示す用語ではないことです。従って、必ずしも、デジタル印刷機やインクジェットでなくとも、オフセットであっても、ごく短納期で小部数であれば、オンデマンド印刷と言えます。
しかしながら、印刷業界ではコンピュータのプリンターを巨大化させた印刷機による印刷を指している場合が多いのが現状です。
そこで、デジタル印刷機と電子写真方式デジタル印刷機及びインクジェットの原理を整理しておきましょう。
1.デジタル印刷機(ガリ判印刷に始まった孔版印刷の現代版の印刷機)
#1#パソコンから直接データを送ると、光が原稿をなぞり原稿パターンをドットパターンに変換する #2#版のフィルム面が熱の力によって原稿通りに孔を開けられる #3#印刷ドラムの内側からインクローラーがインクを出し、版の原稿パターンに沿って紙に転写する #4#浸透・乾燥工程を経る。
2.電子写真方式デジタル印刷機
#1#まず、帯電させることで感光体に負の電荷を与え #2#そこにレーザーで露光して画像を作る #3#その上にトナーを現像する。感光体から用紙にトナーを転移させ、#4#更に、熱で用紙に定着させる #5#このプロセスを4回繰り返すことでフルカラ‐の映像が得られる。
3.インクジェット・プリンタ
#1#インクを微滴化して #2#被印字媒体に対して直接吹き付ける。
そもそも、トヨタのカンバン方式を1台の印刷機で実現することは到底無理なことです。そこで、オンデマンドを実現している印刷サプライヤーは、結局は顧客の求める仕事内容によって印刷技法のハイブリット化をシステム化していると言うことができます。
○インクジェットプリンタは、短納期小部数や印刷媒体が平坦でない注文、更には10色を超える多色刷りや大型ポスターの注文等に適しています。
○電子写真方式は、1ページ単位で印字・プリントの注文に適しています。
○オフセットは、大量印刷の注文に適しています。
○グラビアは、印刷が美しく、美術品の印刷の注文に適しています。

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