2011年の包装業界

2.最近の包装業界の課題

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1節:包装業界に共通する10の課題

包装業界全般を通じて共通する課題は次の10の課題に要約されると思います。
1.リーマン・ショックからの本格的回復
平成20年秋のリーマン・ショック以降押さえられていた設備投資が、徐々にではあるが回復基調にある。しかしながら、まだまだ、その余燼を残している。今後、どのようにして本格的な回復に道筋をつけていくか。
2.3・11東北大震災からの復旧・復興
宮城県石巻市をはじめ、岩手、福島3県の太平洋沿岸の水産加工業を顧客とした包装資材業者の中には、大震災の影響で廃業まで追い込まれた業者もある。当地域の包装業界の営業再開に向けた水揚げ量の回復や、他の多くの課題の克服が一日も早いことが待たれる。
3.国際間競争の激化への連携対応
包装業界においても台頭著しい東南アジア諸国との経済や技術のボーダーレス化に伴う競争の激化はますます加速して来ている。更には超円高への対応をどうするのか。その対応は一人企業のみでなく、企業の枠組みや、業界の枠組み、更には産業の枠組み等を越えた連携(チーム・ジャパンとして)の確保が最重要課題の一つである。
4.地球環境対策
包装業界においてもCO2の排出削減やVOCの削減も最重要課題の一つとして挙げられる。
5.適正価格の確保
印刷業界をはじめ、各包装業界の国内間・国際間での価格破壊の激化と、素材インフレ、川上デフレ傾向の板挟み状況の中で、どのようにして適正利益を確保していくか。
6.国内産業の空洞化現象と海外進出に伴う投資やリスク問題への対応
7.次世代人材の育成
包装業界の人材の老齢化における次世代の人材育成も欠かせない課題である。特に、紙器や段ボール箱における技能検定等への取り組みをどうしていくか。
8.電子書籍やクラウドコンピュータ市場への戦略的対応
今後成長が予想される電子書籍やクラウドコンピュータは、印刷分野の成長分野として有望視されている。どのような戦略的な対応を講じていくのか。
9.古紙再生
包装資源の確保として、古紙再生問題は最重要課題の一つだが、古紙ヤードの多くの開設により、仕入れ価格の過当競争が激化している中での収益確保が難しく大きな課題になっている。また、古紙の品質が悪くなっていることも課題の一つである。
10.ヨーロッパでの金融市場不安の対応

2節:化粧品包装業界の課題

民間調査会社の調査によりますと、2009年度の化粧品(包材を含む最終商品)の国内市場は2兆3000億円で、前年比98%と、2年連続して前年割れの市況であったとの事です。
このような化粧品の国内市場の縮小傾向の中における当業界の今後の課題としては、以下の2点が挙げられるでしょう。
1.国内の化粧人口の減少と化粧品メーカーの東南アジア進出
少子老齢化に伴って、化粧をしない女性が今後ますます増えていくことが予測されるので、国内需要の減少が懸念される。その対策として、中国をはじめ、東南アジア地域への進出に積極的にならざるをえないだろう。
2.東南アジア進出時の3つの課題
#1#高品質でリーズナブルな化粧品の開発
日本の化粧品の高級ブランドは品質が高く人気があるとは言え、購買力がある中国ですら、実際に買う人は一部の富裕層に限られている。一方、安価な化粧品は韓国製に押さえられている。そこで、中国や東南アジアへ本格的に進出するならば、先ずは、高品質でリーズナブルな化粧品の開発が最優先的な課題である。
#2#過剰品質の見直し
また、日本の化粧品メーカーは、海外に比べて過剰品質を求め過ぎる傾向がある。
そこで、コストに跳ね返る容器の品質水準の見直しも大きな課題である。一寸したキズで全品返品になるケースも多く、日常化粧品のような環境配慮型化粧品の場合、コスト問題とは別に、過剰品質と環境面でのすり合わせをしておく必要があろう。
#3#海外進出に伴う販売資源の確保
海外進出に伴う優秀な販売代理店をはじめとして、販売や供給ネットワークの構築等の各種の販売資源の確保も当然ながら重要な課題である。

3節:医療医薬品包装業界の課題

IMSの調査によりますと、2009年度の医薬品の(包材を含む最終商品)の国内市場は8兆8500億円で前年比7%増であったとのことです。
今後の課題としては、販売チャネルの拡大への対応とCSRへの対応の2つが挙げられると思われます。
1.販売チャネルの広がりへの対応
ここ数年、堅調な市況が続いている中で、販売チャネルの広がりへの対応にどう対応していくかが課題となっている。すなわち、2009年の薬事法の改正によって、薬剤師だけでなく、登録販売者でも一部の一般用医薬品の販売が可能になったが、それによって、ドラッグ・ストア等のショップ・ネットワークでの登録販売員の数の確保がシェア拡大の鍵となっている。しかし乍ら、実情は、登録販売員の確保が思うにまかせない状態が続いている。登録販売員の確保が医療薬品メーカーの急務の課題である。
2.CSRへの対応
また、医療医薬品メーカーの消費者への社会的責任(CSR)や安全性や品質向上、
更には、環境配慮への取り組みも重要な課題となってきている。

4節:家電・電機・工業用包装業界の課題

家電、電機、工業用包装業界の課題としては、一つは、今後ますます必要となってきている国際市場を開拓する上で解決しておくべき課題と、もう一つは包装部門におけるコンプライアンスに関する課題の2つがあります。
1.国際市場を開拓する上で解決しておくべき4つの課題
#1#物流改善
リーマン・ショックを契機とした物流コストの抜本的削減。
#2#高速道路から一般道路に乗り換えへ輸送する際の道路整備不備による振動と、その振動による製品の破損や不良品発生防止対策。
#3#段ボール等の東南アジアと日本との品質基準に起因するトラブルの改善策。
#4#環境配慮包装への取り組み対応策。
2.包装部門におけるコンプライアンス上の課題
#1#輸送途上等で、壊れない包装仕様と適正コスト化。
#2#環境3R対応。
#3#ユニバーサル・デザインや法的規制の順守。

5節:食料品包装業界の3つの課題

食料品の包装業界での課題としては、安全・安心、3R、トレーサビリティ等の課題が指摘できます。
1.安全・安心
安全・安心問題の取り組みとして、国際食品安全・品質規格への対応が最重要課題であろう。
2.3Rや食品容器廃棄物の処理とリサイクル
食品の3Rや、包装廃棄物の中で最も多く出る食品容器廃棄物の処理とリサイクル問題も重要な課題として取り上げられるだろう。
3.トレーサビリティ(履歴追跡確保包装)
牛肉や鶏肉汚染問題に端を発したトレーサビリティ問題への対応は、今後も包材に関わる課題である。

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