容器・包装に関する技術

3.青果物の包装技術

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青果物の鮮度保持は重要です。
青物は特に光や温度によって傷みやすいものです。
また輸送によって傷むこともよくあるでしょう。
それは、青果物は消費者の手に届くまで、生命活動を続けているからです。

そのため

#1# 温度
#2# 湿度
#3# 炭酸ガス
#4# 酸素濃度
#5# エチレンガス
#6# 微生物
#7# 光
などさまざまな要素を考える必要があります。

また、青果物は呼吸生理作用があるため、水分が蒸散する作用があります。
このメカニズムが加工食品と大きく異なる点なのです。

#1# 室温管理
青果物は10℃の温度上昇で約2倍に膨らんでしまいます。
青果物は品温(鮮度)管理が必要なのです。
流通のためにはまず、低温で管理しなくてはなりません。
近年では低温流通が増えています。
また、スーパーではカット野菜も多くみられるようになりました。
それらは製造段階から低温で栽培し、そのまま低温で流通に回すことが多いといわれています。

#2# CA貯蔵
CA貯蔵という方法は、包装の中で発生するガス組成を制御することが可能です。
青果物の貯蔵にはこの方法が望ましいといわれています。
しかし、経費がかかることが難点です。
大量流通、大量消費では使用が困難であるとされています。

青果物の包装にはMA包装とよばれる包装技術が求められます。
青果物の袋の中での変化を利用した方法です。
また、蒸散する水分に対応する防曇性を持った包装が求められます。

MA包装について考えてみましょう。

●フィルムのガス透過性について
青果物は袋の中でガスを発生し、変化していきます。
高炭酸ガス、低酸素、高湿度と袋の中の環境が変化していくのです。
この中で呼吸の制御をおこなう性質をもった包装をMA包装と呼んでいます。
簡易容器であり、経済的にも低コストで済む点が長所だと言えるでしょう。

●防曇性を持った包装について
防曇性能がないと袋は曇ってしまい、消費者は青果物を見ることができません。
また青果物と水滴が接触してしまいます。
これでは青果物は腐ってしまい、雑菌の発生や呼吸障害が起こってしまいます。
防曇性能とは水滴の表面積を広げるという効果を持つということです。
また逆に水滴の付着を防ぐ効果を持たせることも可能です。

これらの要素に加えて包装の形態や機械の適合性も考える必要があります。
消費者にとって安全性が確保され、使いやすさも必要です。
また包装技術が持つ環境適合性をとりいれていかなくてはならないでしょう。

●青果物鮮度保持材料について
青果物の鮮度を保持するための材料について考えてみましょう。

#1# ガス透過性
#2# 水蒸気透過性
#3# 防曇性
この3点が必要不可欠な条件となります。

それ以外にも、

#4# 透明性
#5# 機械適合性
#6# 開け口、手詰めの作業、耐寒に対しての強度
#7# ラベルの接着度
#8# 包装効果に見合った経済性
などの要素が求められます。

このなかで特に重要な要素は防曇性であるといえます。

防曇性の付与技術について考えてみましょう。
青果物包装用に関しては
#1# 衛生上の安全
#2# 袋加工が容易であること
#3# 低価格で提供できること
の3点が重要です。
そのためには
防曇剤を塗布する
表面を放電処理などで活性化する
帯電防止剤を練りこむ
という作業が行われます。

このうち、帯電防止剤が練りこまれている一般の帯電防止OPPフィルムが存在します。
しかし青果物包装用の防曇性には劣るといわれています。

●青果物鮮度保持フィルムについて
青果物の鮮度を保持するための材料を挙げてみましょう。

#1# 防曇性フィルム
野菜の結露防止に効果があります。
#2# 追熱抑制フィルム
エチレンガスを吸着する効果があります。
#3# 抗菌フィルム
抗菌性や防カビに効果があります。
#4# ガス透過度コントロールフィルム
通気性、ガス透過性、水蒸気透過調節などに優れています。
これを活かしてキノコなどの菌類の栽培用シートにも活用されています。
#5# 水分調整フィルム
吸水、吸湿性に優れています。

これらの特性を活かした包装技術が発達していきました。
青果物鮮度保持フィルムによるMA包装によってさまざまな効果が生まれました。
ニラの集団包装やブロッコリー、ネギなどの段ボール包装などに効果が発揮されています。

また野菜の流通にも大きな成果があり、農産物の効率的な販売が可能になってきました。
品質を保ちながら輸送することが出来ます。
そこからより新鮮な野菜の提供が可能となっているのです。

透過性フィルムとはプラスチック材料です。
フィルムの製造方法にさらなる技術の発展が求められています。

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