容器・包装に関する技術

2.食品の包装技術

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現代での包装技術は、中身を包むだけではありません。
販売流通のためのより高い付加価値が求められているのです。

特に高度な対応が求められるのは食品、医療品の包装技術です。

#1# 開けやすさ
#2# 廃棄しやすさ
#3# 商品の安全面の確保
という要素も求められています。

食品は3つの機能があります。

#1# 生命を維持する栄養を供給する
#2# 美味しさの保持し、人間の感覚に訴えること
#3# 人間の活動の活性化をもたらす

それらの要素を守るための食品を、特に機能性食品と呼ぶことがあります。
このために発達していった包装技術が長じて、機能性包装とよばれるようになりました。
商品が持つ基本的な要素を保つことが出来る包装技術を指すといえます。

さて、包装の新しい役割とは機能性包装という言葉で表現できます。
それは、これまでの包装技術にはなかった要素を持つ場合に使われることがあります。
その例として、食品の包装技術における技術の発達が考えられます。

食品の包装のための、プラスチックフィルム包装材に要求される条件は

#1# 透明性
#2# ハイバリア性
#3# レトルト材への適応
#4# 電子レンジへの適応
#5# 環境への適応
#6# 真空包装
#7# ガス置換包装
#8# 脱酸素封入包装
#9# 乾燥食品包装

などが挙げられます。
これらのなかで最も重要なのはガスバリア性と呼ばれるものです。

●食品の化学的保護について
食品や医療品などは大気中の湿気や酸素に敏感です。
それらの包装では防湿性及び酸素遮断性が特に必要です。
酸素遮断性はガスバリア性ともいわれます。
搬送中に水分が変化し、腐敗が進んでは商品が傷んでしまいます。
乾燥食品や医療品などに注意が必要です。
また油脂食品では油焼けが起こってしまいます。
有害物が発生する可能性もあるのです。
酸素は細菌やカビの増殖を促進させます。
炭酸ガスが包装外に漏れてしまわないように、ガスバリア性が必要とされています。
これらには特にハイバリア材と呼ばれる、低ガス透過性の性能が求められます。

●食品のハイバリア性フィルムについて
食品は流通過程において、品質保存期間が決められています。
油脂食品やスナック菓子は3~6カ月、レトルト食品は1年以上とされています。
これらには防湿性、酸素遮断性の高いハイバリア性フィルムが必要です。
JIS規格によって数値も決められており、最も高度な1級のフィルムを使っていきたいものです。

ガスバリア性フィルム包装の用途を挙げてみましょう。
袋(パウチ)の形態をとることが多くあります。

●真空包装
畜産加工食品(ハム、ソーセージ)や水産加工品(かまぼこ類)、カット野菜、コーヒーなどの包装に使用されます。
●ガス置換包装
削り節、スナック類、緑茶、和菓子、カステラなどの包装に使用されます。
●脱酸素封入包装
餅、和菓子、米飯、珍味などの包装に使用されます。
●乾燥食品包装
海苔、インスタントラーメン、粉末食品などの包装に使用されます。
●アセプティック包装
スライスハム、餅などの包装に使用されます。
●レトルト包装
カレー、シチュー、ハンバーグ、米飯などの包装に使用されます。

近年はレトルト食品が増加しています。
レトルトとは、高圧殺菌釜(レトルト)で加熱殺菌するということを指します。
一般的にレトルト食品というとパウチ、プラスチック容器、ボトル、チューブなどに入れられた食品を指すことが多くあります。

また食品では紫外線によって腐敗が進む場合があります。
紫外線カットの包装素材が求められています。

食品包装では微生物の影響を避けるために殺菌処理が行われています。
加熱殺菌が一般的です。

また、包装調理食品では電子レンジなどの過熱手段によって食卓に並ぶという性質をもったものもあります。
この場合のような包装資材には耐熱性が求められます。
耐熱性のレベルを挙げてみましょう。
#1# 85~95℃の熱充填が可能であること
PETボトルに飲料を入れる場合、低温殺菌を行います。
そのために85~95℃に過熱することをいいます。
PETボトルにも耐熱性が求められるのです。

#2# 湯殺菌、ボイル過熱が可能であること
ゼリーやプリンなどの食品には湯殺菌が行われています。
レトルト食品では湯でボイル加工するものもあります。
このような場合の包装材料には100℃の耐熱性が求められるのです。
それ以外にも電子レンジ、ガス、オーブン、直火での過熱が可能であることが必要です。

●食品の酸素遮断包装について
食品の品質劣化を防ぐには、酸素を遮断する必要があります。
密封包装した袋の中に脱酸素剤を入れておきます。
ガス遮断性の優れた包装素材を用いることが重要です。

脱酸素剤は

#1# 有機系(アスコルビン酸 ビタミンC)
#2# 無機系(活性鉄)
の2種類に分類することが出来ます。
近年は#2#の鉄系のものが主流となっています。
それを粉末化して通気性のある小袋に詰め、包装容器内に入れられます。

また酸素の吸収は
#1# 自己反応型
#2# 水分(湿気)依存型
の2種類に分類することが出来ます。

#1#は酸素吸収に必要な水分があらかじめ含まれているものであり、#2#は食品から湿気などが排出されてから酸素を吸収する性質を持っています。

●食品包装の防曇性フィルムについて
生鮮食品の鮮度を保持するためには防曇性フィルムが必要です。
袋の中の水分を抑制し、結露を防止することが出来ます。
近年はカット野菜が増え、その需要も高まってきています。

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