包装とは

5.包装されるもの(用途)

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日用品

日用品とは、日常の生活で使うこまごまとした品物のことをいいます。大抵は食料品や衣料品、医薬品を含めず、生活雑貨のことをあらわしています。

生活必需品の多くは日用品に含まれるほか、嗜好品や趣味の品物も含まれるため多様なものが生産、消費されています。

日用品包装を大まかに分けると、家庭用の日用品の包装、家庭用化学製品の包装、そのほかの雑貨包装の3種に分類することができます。

商品の特徴に応じて、さまざまな包装形態が用いられています。日用品の包装形態と具体例は次の通りです。

練り歯磨きや頭髪料のように、内容物を絞り出して使うチューブ状の容器をスクイーズボトルといわれ、コーヒー用クリーム(フレッシュ)や化粧品の試供品などに使用される小さな容器はポーションパックといわれます。

台紙付きの硬いプラスチックシートの包装はブリスターパックといわれ、とがったハサミをカバーすることや、乾電池やおもちゃがバラバラにならないようにしたりする役目を担っています。

深絞り包装は、スライスハムなどトレイ状になっているものです。
真空包装品は、俗に真空パックといわれ、煮豆やたくわんなどに使用されています。空気を取り除いて酸素による油の酸化、変色、カビの発生などが防止できます。

カップラーメンやスプレー缶などに使用される薄手の外袋はシュリンクといわれます。書店で立ち読み防止や汚れ防止のために書籍にかけられている透明フィルムもシュリンクです。本を少し大きめのサイズのプラスチックフィルムの袋に入れ、シュリンカーという機械を通して加熱すると、袋が縮んでぴったりサイズが合う仕組みになっています。

包装形態 具体的な商品例(日用品および食品)
スクイーズボトル 練り歯磨き、洗顔料、頭髪料など
ブリスターパック はさみ、乾電池、おもちゃなど
深絞り包装 スライスハム、ソーセージなど
真空包装品 煮豆、たくわん、煮魚など
マルチパック ヨーグルト、納豆、缶ビールなど
シュリンク カップラーメン、スプレー缶、書籍など

医薬品

身体に不具合があれば薬を使用します。医薬品は、 病気の予防や治療をするために、成分、用法容量、効能効果、副作用などについて、有効性や安全性に関する調査を行い、厚生労働大臣や都道府県知事が認めたもののことをいいます。

日常的に使用する薬のかたちは、粉末、錠剤、液体などがありますが、これらを使用する際に間違えないようにと工夫されています。

錠剤やカプセルなどの包装には、薬を押し出すタイプのPTP包装が用いられています。PTP包装はプラスチックシートにアルミを貼り付けた1枚のシートの中に、錠剤やカプセルを閉じ込めているものです。この包装形態は、使いやすく内容を間違えにくいという点において、とても注目されています。

どのような気候に置いていても成分が変わらないようにしなければ、本来の薬の効果が発揮できません。そこで、医薬品の包装について、間違えにくく使いやすいような配慮がなされています。

食品

食事の準備が終わると、大量の包装材のゴミが出ます。また、コンビニでサンドウィッチやおにぎりを買ってもわかるように、ありとあらゆる食べ物にフィルム包装がほどこされています。

食品の大部分は、細菌が付着すると繁殖します。食品が変質していくのは腐敗が起こっている証拠です。食品が製造され、消費者の手にわたって飲食されるまでに腐敗して品質が落ちてしまっては困ります。そのため、食品の品質を維持するためにさまざまな工夫がなされています。

食品の腐敗には、菌、水分、酸素、温度が関係しています。腐敗を防止するためには、これらの原因を取り除くことが肝要です。

無菌状態で包装する場合には、フィルムで密閉すれば腐敗の防止ができます。ただし、酸素や水分による食品の変質は防ぐことができません。このため、食品を保存するには酸素と水分の浸透を止めることが必要です。ところが、酸素も水分も浸透しないフィルムはあまりありません。

ポリエチレンは水分を通しませんが、酸素はよく通します。酸素を通さないポリアミドフィルムは水分をよく通します。このように、プラスチックフィルムは材料によって性能が非常に異なります。

そこで、異なる性能のプラスチックフィルムを二枚、三枚と重ねることによって、希望する性能を作り上げていきます。このようなフィルムは、複合フィルムやラミネートフィルムと呼ばれ、食品の種類ごとにフィルムの組み合わせが選ばれています。

組み合わせの中でもとりわけ有名なのが、ポリセロといわれるフィルムで、ポリエチレンとセロファンの複合フィルムです。
ポリセロは、酸素と水分の浸透を防ぐことができます。インスタントラーメンの袋として採用されて以来、食品用の袋において代表される銘柄となっています。

食品包装用のフィルムには、ガスの浸透性のほか、加工性、とくにヒートシール性や印刷性が問題になります。カレーやシチューのようなレトルト食品の袋は、そのまま加熱するため耐熱性が必要です。この場合は、ポリアミドやPETのフィルムが活用します。

テイクアウト食品の種類と包装効果

家庭の外で調理された食品を家庭に持ち帰って食べる食事形態を中食(なかしょく)といいます。中食は、家庭で調理して食べる内食と、家庭外で調理されたものを外で食べる外食の中間にあたります。

中食の具体例は、コンビニやスーパーマーケットなどで売られているお弁当、おにぎり、サンドウィッチ、持ち帰りのハンバーガーやフライドチキン、宅配のピザやお寿司などがあります。

おにぎり、サンドウィッチなどのテイクアウト食品が広まった背景には、コンビニの普及、専門の製造機械、個包装機械の普及があげられます。コンビニおにぎりひとつをとってみても、すぐに開封できる袋で包まれており、食べるときにパリっとした海苔が味わえます。これらは、包装技術が日々進化している何よりの証拠です。

おにぎりの海苔は、海苔があらかじめ巻いてあるウエットタイプと、食べるときに巻くドライタイプに分かれています。
ドライタイプのおにぎりは三角のかたちが多く、その包装方法はフィルムを開けなくても取りだせるパラシュート包装と、つまみを引っ張って中央を切り両側をつまんで引くと中身が取り出せる縦割り方式があります。

サンドウィッチは、四角に切ってポリスチレンや紙のトレイに入れて蓋をしてシールでとめたり、ラップ包装をしたりします。また、三角や四角に切ったサンドウィッチについては、そのまま延伸ポリプロピレン(OPP)フィルムで包装します。

OPPフィルムは家庭で作ったサンドウィッチを美味しく清潔に保つためにも利用できます。サンドウィッチにOPPフィルムを一枚敷き、ナプキンなどを同封すると汚れが付かないだけではなく、乾燥が防止されるという利点があります。

テイクアウト食品の品質は、水分により短時間で変化します。ピザやフライドチキンなどは焼きたての香ばしさや食感が美味しさの決め手となります。食べ物の食感がパリパリとしていることカリカリしていることをクリスピーといいますが、時間が経って湿気を吸収すると、美味しさの決め手であるクリスピーさが失われてしまいます。

揚げたり焼いたりした食品が吸湿するのを防ぐために、ピザ専用のクリスピーカートンや汎用テイクアウトカートンが開発されました。
水分を通しやすい紙と水分を通さないポリエチレンとの間に吸水ポリマーという水分を吸収する素材を用いることにより、片面は水分を吸いやすく、一方で吸水した水分が紙の硬さに影響しないような構造になっています。

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