包装とは

3.包装材料

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アルミ箔とスチール箔

金属箔は光線を完全に遮断し、酸素もまったく通さないため、酸素や水蒸気の影響を受けやすい商品の保存に適しています。

不透明で中身が見えないことや、電子レンジにかけることができないなどの不利な点はありますが、 包装用の材料としては非常に優れています。

金属箔を使ったフィルムや成形容器には、アルミ箔スチール箔を 使ったものがあります。使用されるときは、金属単体あるいは塗料やプラスチック・紙などとの複合材となります。

アルミ箔とスチール箔の使用量を比べると、圧倒的にアルミ箔の方が多く用いられています。 アルミホイルは家庭用クッキングホイルとしてもおなじみですが、アルミ箔は包装材料としての用途はたくさんあります。

チョコレートやスナックなどのお菓子類、コーヒーなどの飲料用、レトルト食品などのインスタント用などに使われています。

食品衛生法では、油脂などの酸化による品質の低下の恐れのあるものを包装する場合、 遮光性があり、ガス透過性のない包材で包装するように定められています。
それらの基準を満たす包装材料として優れているのが金属箔です。

JISの規格によると、アルミニウムを厚さ0.2mm~0.006mmまで圧延で薄く伸ばしたものをアルミ箔と言います。
アルミ箔は、単体で使用される場合と、フィルムや紙と貼り合わせされて使用される場合とがあります。

アルミ箔は、金属として軽い、光沢がある、遮光性、熱や光の反射率が高い、防湿性がある、 加工特性がよいなどの長所があります。
その一方、透視が不可能なことや、物理的に弱いこと、耐食性が低い、しわができやすいなどの短所も持ち合わせています。

アルミ箔が食品用包装材料として数多く使用されているのは、湿気や酸素、光や熱などを遮断するバリア性に優れている ということが大きな要因です。

スチール箔(鉄箔)はアルミ箔よりも硬度が高いため、主にトレイとして用いられています。 また、内外側に白色のポリプロピレンフィルムと貼りあわせたものはレトルト食品に用いられます。

金属箔の利点

包装に使用する紙の特性

紙は、植物などの繊維を薄く平らにからみ合わせ、乾燥したもののことを指します。
日本工業規格 (JIS) では、「植物繊維その他の繊維を膠着させて製造したもの」と定義されています。

紙がすべての包装材料の中で占める割合は、出荷数量で60%弱、出荷金額は40%強だといわれています。
紙は強度と剛度により「紙」と「板紙」に分けられています。

紙の分類は以下の通りです。

#space# 種類 用途・機能
印刷・情報用紙 情報を記録・伝達 新聞紙、雑誌、ノート、紙幣
包装用紙 物を包む・運ぶ 袋用紙、包み紙、封筒
衛生用紙 汚れや液体のふき取りや吸収 ティッシュペーパー、紙タオル
紙種紙 その他、用途別に加工したものなど フィルター、書道半紙、紙パック
板紙 段ボール原紙 段ボールを作る 段ボール、パイプ芯
紙器用板紙 表面に白いさらしパイプを使った紙 絵葉書、石鹸などの化粧箱、紙器
その他の板紙 その他、用途別の加工したものなど 紙やセロファンの紙筒、防水原紙

紙を分類すると、「紙」は印刷・情報用紙、包装用紙、衛生用紙などがあり、 「板紙」は、段ボール原紙、紙器用板紙、その他の板紙(紙管用など)があります。

「紙」は新聞や雑誌、印刷広告や事務用紙などの情報伝達において使われているため、 わたしたちの生活にとても普及しています。
その一方で、包装用紙としての紙については、環境問題やエコブームの流れを受けて、使用量の減少がみられる部分もあります。

「板紙」は、段ボールが紙全体の30パーセント以上を占めています。 これは、段ボールについて回収や再資源化が積極的に行われていることが関連しています。
多くの段ボールは古紙回収業者などを通じて回収され、何度もリサイクルされて、ダンボールに加工されていることからも わかるように、資源の有効化がはかられています。

プラスチック包材

プラスチックが包装材料として広く普及しました。プラスチックのメリットは値段の安さ、軽さ、衛生的、形成のしやすさ などがあげられます。

プラスチックは「熱可塑性をもつ有機高分子化合物を主成分とする天然または合成物質」と定義されています。

可塑性とは、物体に力を加えて形を変えたとき、力を取り除いても変形(ひずみ)がそのままになるということを意味します。

プラスチックは熱を加えると可塑性が働き、フィルム・シートや成型品など用途に応じて形状を作ることができます。

プラスチックの種類は大きくわけると熱可塑性のプラスチック熱硬化性のプラスチックがあります。
熱可塑性プラスチックは、熱を加えると溶けて柔らかくなり冷やすと固まりますが、もう一度熱を加えると、再び溶けて柔らかくなるという性質を持っています。

熱硬化性プラスチックは、熱を加えると熱可塑性プラスチックと同じように溶けますが、さらに加熱すると今度は硬くなります。 硬化した後では、成形時に化学反応を起こすため熱を加えても再び柔らかくならない性質を持っていることが特徴です。

熱可塑性プラスチックは成形硬化後に150度ほどの熱を加えると溶けます。何度でも溶解して利用できるため、包装材料にはこちらが使われます。 熱硬化性プラスチックは再加熱しても柔らかくならないため、接着剤や塗料などに使われます。

熱可塑性プラスチックの多くは透明性を持っているのに対し、熱硬化性プラスチックのほとんどが不透明または半透明であることが特徴です。

さまざまな商品がプラスチック製の袋で包装されています。
JISでは、0.25㎜未満のものをフィルム、それよりも厚いものをシートとわけていますが、 一般的には薄くて柔らかいものはフィルム、硬くて厚いものはシートといわれています。

フィルムの作り方には、押し出したチューブに空気を含んで膨らませるインフレーション法と、 平らなフィルムを口金(Tダイ)から押し出し、ロール上で急冷するTダイ法があります。

単層のフィルムで使われるものは、ごみ袋、レジ袋、カップ麺などの収縮フィルム、 トレイ用のラップフィルム、日用品や衣類などの簡易包装があります。

押し出されたままのフィルムは伸びやすいため、印刷や貼り合わせ加工がしづらい状態にあります。 そのため、押し出したフィルムを縦方向や横方向に伸ばして、延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリエステル(PET)、延伸ナイロン(ONY)などを作ります。

OPPなどの延伸フィルムの熱接着性(ヒートシール性)を向上させるために、内側へ低密度ポリエチレン(LDPE)や無延伸ポリプロピレン(LDPE)などの ヒートシール材を貼り合わせます。これらの加工をしたものは複合フィルムといわれ、さまざまな包装袋になったりカップ麺などの蓋の材料になったりします。

複合フィルムは、異なる機能をもつフィルムを貼り合わせて、フィルムに必要なさまざまな機能を持たせたものです。
たとえば、ポテトチップスの袋は、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、アルミ蒸着ポリエステル(VMPET)、無延伸ポリプロピレン(CPP)の 3層の積層フィルムになっています。

このときのOPPは、袋の強度と印刷性能を高める働きを持っています。
VMPETは、酸素・水蒸気と光線の遮断性と美しい金属光沢を付ける働きがあります。
最も内層にあるCPPは、袋に耐油性と熱で密封するヒートシール性を付与する目的があります。

フィルムの種類

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