包装とは

2.歴史的側面から見た包装

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起源

原始時代の包装容器は、瓢箪、ヤシの実の殻、草木の葉や皮などが使われていたと考えられていましたが、 食品の煮炊きには土器が使用されていました。

人が社会生活を営むにつれてお互いにものを交易するようになると、それまでの「ものを入れる」「ものを保存する」に加えて、「ものを運ぶ」ことが必要になりました。

ものを運ぶために、木皮や竹の籠、壺、樽、瓶といった運びやすい道具が作られるようになりました。
包装容器は、昔から生活の知識として草木や土壌などから調達した包装材料が作られ、時代とともに完成度が高くなってきました。

歴史的な流れを見てみると、奈良平城京では、年貢として物産品が集められ、献上するための輸送用として、 保護、貯蔵、運搬に便利な箱、瓶、籠、袋などが使用されました。

平安時代には、竹や籐で編んだ籠、お櫃、木桶などが使われました。 また、和紙に油を塗布して防水性を持たせるという加工がこの時代になされていました。

江戸時代になると、商業が非常に発達してきました。 そのため、遠方へ荷物を輸送することが生活に定着し、運びやすい樽、水桶、麻袋などが使われていました。

明治時代と大正時代には、ガラス、金属缶などが普及しました。 瓶の普及には、衛生的な側面が関わっています。 明治時代に入ると、牛乳の販売が大量失業した武士の再就職口として注目されたために、牛乳の一般化が進みました。

しかし、牛乳販売が始まった当時、牛乳は桶を担いだ牛乳売りから、各家庭にあるドンブリや鍋に そのまま量り売りされていたため、衛生的な事柄が問題視されるようになりました。

このような遍歴により、牛乳は瓶に入れて販売するようになったとともに、飲食物の包装容器が注目されました。 また、牛乳を入れるガラス瓶を繰り返し洗浄して利用するという再利用の概念もこの時代に生まれました。

包装の始まり

20世紀の包装の歴史

古い時代の包装は、ものを入れて一時的に保存したり、ものを運んだりすることを目的としていました。 しかし、瓶詰や缶詰の開発により、長期保存ができるようになったため、包装の考え方が大きく変わってきました。

19世紀以降、プラスチック(合成樹脂)が登場し、 20世紀にはナイロンが開発されたことにより、プラスチックが普及しました。

包装容器によく使用されるポリエチレン(PE)、テレビ・ステレオなどの電化製品や通信機器 などの絶縁体になっているポリプロピレン(PP)など、高性能なプラスチック素材が次々と開発されました。

時代の変容により、忙しい人でも手軽に食事ができるようにと即席ラーメンや粉末ジュースなどの インスタント食品がポリエチレンとセロハンを積層したポリゼロで包装されました。

スーパーマーケットの普及や食品のインスタント化により、個別包装が定着する一方で、 食品添加物の害が問題視されるようになりました。
食の安全を考え、保存料にたよらないようにするために、無菌包装、冷凍保存、レトルト殺菌などの包装技術と製造方法が開発されていきました。

また、生活水準の向上により、国際化が進みました。 世界からさまざまなものが輸入されるようになると、長距離、長時間の輸送に耐えられる包装が必要とされるようになりました。 このように、社会背景から要求される事柄をもとに、その時代に応じた新しい包装が提案されています。

包装材料が増えた理由

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