心をつかむマーケティング

2.お客さまの心をつかむマーケティング戦略【その2】

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 セグメントの選択には考慮するべき事項もまだあります。ゼグメントが多いときは、それらを再編成し、スーパーセグメント(原材料、製造設備、流通チャネルなどで相乗効果が生まれるセグメント)を構成するように試みることも大切なのです。また自分の会社の計画は、競争他社には必ず分からないようにするべきでしょう。

 ねらうべきお客さまがある程度想定できたら、次はその想定が合っているかを検証します。その代表的な手法は、グループインタビューです。ここで、お客さまの本音を聞き出し、言葉や態度によって、潜在的なニーズを発見することが目的です。

 インタビューで必要なことは、その調査目的を明確にすることです。この段階では、ねらっているターゲットが、ほんとうに合っているのかを検証します。その際、シナリオを作成し、調べたい内容を挙げていきます。偏りが出ないよう、対象者が話しやすい順番を考え、整理します。そうしたら、次は対象者を集めます。同じ属性を持った人、約6人から8人くらいが適性でしょう。調査を依頼した会社が分からないような場所を選び、依頼会社の人の姿が一切見えないように行います。

 司会者の役割は、グループで話し合える状態をつくることです。参加した対象者がどんどん話せるようにするのです。また、バイアスがかかる質問はNGです。たとえば、「このOPP袋はいいと思いますか?」ではなく、「このOPP袋をどう思いますかとするのです。対象者の発言は記録されると同時に、録音、録画をします。それをもとに潜在ニーズを見つけ出すのです。

 グループインタビューでは、調査の数に限りがあるため、定量的に把握したい場合は、アンケート調査を実施します。アンケート調査の際の注意点は、回答者数の確保と、的を射た設問をすることです。ねらっているお客さまに近い属性の人に答えてもらいたいため、事前の調査をする場合もあります。そこからその属性に合った人を抽出します。その際、最低でも200人は必要といわれています。設問については、回答者が負担を感じないように、質問の数は多くしないこと、文章も簡単な言葉にし、短く簡潔に、文字も見やすい大きさにします。また、先に事実に関することを質問し、その後に意見などに関することを記載します。重要なのは、誘導的な質問はしないこと、明確な質問内容にすることです。自由回答ばかり多くなると負担に感じられるので、回答が選択できるパターンのほうがよいでしょう。

 調査データは単純に集計するのではなく、平均値を出したり、標準偏差をとるなどの統計的手法を使い、集めたデータから何が見えてくるのか、分析をします。その際には、有意差検定を行います。有意差検定とは、アンケート集計結果より、ある2つの値の間に統計的に意味のある差があるかどうか、それが偶然起こったものではないといえるかどうかを判断するものです。この有意差検定をしていないと調査結果が信頼できるものかどうか怪しくなってしまいます。調査結果に目を通すときは、この点にも注意が必要となります。

 ターゲットの絞り込みまできたら、実際、そのお客さまに、いかに商品を購入するアクションを起こさせるか、その分析をしていきましょう。まずは、お客さまの欲求にはレベルがあるということを理解しておく必要があります。これは新商品を開発する上で、とても重要です。この欲求の段階について有名なのが、「マズローの欲求5段階説」です。人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されていて、低階層の欲求が満たされると、より高い階層の欲求を欲するというものです。

 第一階層は「生理的欲求」です。これは、生きていくために必要な欲求、基本的・本能的な欲求(食欲、睡眠欲、性欲、排泄欲、攻撃欲)です。この欲求を満たせば、次の階層「安全欲求」を求めます。「安全欲求」は安全、安心な暮らしがしたい、事故や病気にかかりたくないという欲求です。この段階にある場合は、安全であることを満たす商品やサービスが必要となります。

 次層は、「愛情欲求」、集団に属したり、仲間から愛されたいという欲求です。所属欲求・社会的欲求ともいいます。この欲求が満たされないとき、人は孤独感や社会的不安を感じます。ここの階層でも、この欲求を満たすための商品や、アイデアが必要となります。ここまでの欲求は外的に満たされたいという思いから出る欲求です。

 そして、次には「尊重欲求」(自我の欲求)という、他人から認められたい、尊敬されたいという欲求です。この階層では、自慢できるサービスや商品が必要となるわけです。ここからは、外的なものではなく、内的な心を満たしたいという欲求に変わります。

 それも実現すると、最後にあるのは「自己実現欲求」です。自分の能力を活かした、創造的な活動をしたい、目標を達成したい、自己成長を望みます。この段階にある場合は、他人に貢献できるようなサービスや商品が必要となります。

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