顧客満足を上げる

3.サービスについて

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「サービス」と聞くと、何か特別なことを思い浮かべるかもしれませんが、サービスの基本は「当たり前のことをきちんとする」です。サービスのよいお店を思い浮かべると…

  • 店員さんの接客(態度)がよい
  • お店がキレイ
  • 対応が迅速

などが挙げられます。お店に対して無意識に感じている期待感がそのお店の「基本機能」といえます。この基本機能は業種によって違い、基本機能を満たすことがサービスの評価を上げることに繋がります。

例えば、とても雰囲気の良いレストランがあるとします。接客もとてもよく、いつもキレイに保たれています。しかし、料理がおいしくなかったらどうでしょう。レストランはお客様に食事を提供するところです。最も大切な基本機能は「美味しさ」なのです。

美容院であれば技術、スーパーの生鮮食品売り場であれば清潔感、電気屋さんなら商品説明などです。

サービスのイメージ

また、安さを売りにして、基本機能をマイナスにしていくお店もときどき見かけます。

  • 特価により返品不可
  • 特売品のため、魚の調理はいたしません

あって当たり前のサービスを価格と引き換えに失くした時、要求を満たしてもらえないお客様の反応は・・・想像できますね。

基本機能をカットしてお客様の気を引こうとしても良い結果は生まれません。

まずは、そのお店の基本機能を見直し、必要なサービスを考えていくことが大切といえます。

安さと必要なサービス

1、良いサービスをするポイント

・要望の把握、臨機応変な対応

サービスをする側は、お客様に喜んでもらうために様々なサービスを考えますが、お客様の立場に立って考えなければありがた迷惑になるケースもあります。

旅館に行くと、大勢の従業員で出迎えをするところがあります。観光バスに乗って、○○ツアーなどで行く場合にはさほど抵抗を感じませんが、家族や友人と行く場合は、派手に出迎えられると気おくれしてしまうこともあります。当然のサービスのようですが、場合によっては苦痛に感じることもあります。人によってこのようなサービスの受け止め方は違ってくるので、満足していただくために工夫していくことも考えましょう。

また、到着されたお客様をお迎えするために、お部屋に和菓子のサービスをする旅館は多く見られますが、御家族の場合はお子様の分をスナック菓子などに変更するなど、臨機応変に対応していけばさらに喜ばれるでしょう。

個々のお客様に合わせたサービスを提供するためには、お客様について理解しなければなりません。コミュニケーションを図ったり、アンケート箱を設置するなど、声を聞き知ることが大切です。

サービスの数はお客様の数だけあると考えましょう。

・最善のサービス

サウナで「1回の目安は5分程度です」などと表記してある場合、大抵、時計を確認してから自分の退室時間を頭の中で設定します。しかし、熱さでボーっとしていると「あと何分だっけ?」など、時間がわからなくなることもあります。ある施設では、砂時計が設置してありました。便利だとは思いましたが、1つしか置いてないので、他の方が使用中の場合は、使うことができません。

お客様が、何人か入室されることも考え、数個設置してあれば満足できたのでしょうが、使用できなかったという残念さは、マイナスに働いてしまいます。

サービスは断片的ではなく、相手が満足できるまで続けましょう。

砂時計の画像

・マニュアルにはないサービス

サービスには「気づく」という姿勢が大切です。サービスの善し悪しは、マニュアルには記載されていない場合にどう対応したかで評価されるものです。普段から与えられた仕事しかしない人がいますが、不測の事態が起きた時、対応ができなくなってしまいます。

「担当ではないから」

「アルバイトなので」

「マニュアルには書いてないから」

そんなことはお客様に通用しません。与えられた仕事以外にもお客様に満足していただけるサービスは隠れています。どこからどこまでではなく、枠を超えたところまで目を向けるようにしていきましょう。

・「リピーター」を増やすチャンスをつかむ

お客様はちょっとしたサービスや気配りにとても敏感です。そして、そのちょっとしたことがお客様との関係を深めるきっかけになるものです。

デパートのギフトコーナーなどには「のし紙」「包装」のサービスがあります。のしの表書、水引の種類などを迷うこともあり、お店の人にアドバイスしていただけるととても助かります。たとえ知識がなくても、他の担当者に聞いたり、一生懸命調べている姿勢を見ると喜びを感じます。

銀行の窓口で用事を済ませて出ようとした時、他の窓口の人からも「ありがとうございました」と声をかけられると嬉しくなります。

スーパーの駐車場から車を出す時、係の人が一生懸命車を誘導してくれるととても安心できます。

こうした配慮を積み重ねながら、従業員が枠を超えて一丸となってサービスに取り組む姿勢が、お客様を「また来よう」という気にさせるのです。

ありがとうの画像

・ミスをしないシステムを工夫する

クリーニング店や時計の修理など、お客様に2度来店していただく場合は料金の受け取りの手順をあらかじめ決めておきましょう。クリーニング店は、依頼品の種類によって大抵の場合、料金が決まっています。料金が分かっている時は、前払いで最初にお支払いいただいておくと、お渡しはスムーズにできます。時計の修理、電池交換などは中をあけてみないと金額が分からない場合もあります。まずはお見積りをして、お客様に連絡・御了解いただけたら修理・支払いという流れにしておけばトラブルは起こりにくいでしょう。

ミスを起こさない為に、誰でも同じ手順でできるシステムを決めておいて、言葉と動作を連動させるよう習慣づけておくことが大切です。

2、クレームをチャンスに変える

クレームを受ける側は、いくつかの中の1つですが、お客様にとってはたった1つの不満です。「またか…」「自分がミスしたわけじゃないのに…」という思いは、お客様に伝わってしまうものです。クレームを聞いたら、まずはお客様の立場に立つことが大切です。クレームは対応によっては満足・感動を与えられるチャンスでもあります。

・改善点を知る

苦情を申し出るお客様は統計上では全体の10%にも満たないと言われています。それ以外のお客様は我慢したり、黙って離れていってしまいます。クレームとは氷山の一角にすぎません。クレームを言っていただけるお客様は貴重なのです。「改善点を指摘していただいいた」と、お客様の声にしっかり耳を傾けましょう。そして問題を解決し、今後の商品開発・サービス向上などに役立てていくことが大切です。

・期待以上の対応で感動を与える

クレーム対応のしかた次第では、お客様の不満を満足に変えることも可能です。「悪い対応」をすれば、お客様が離れていく上に、対応の悪さが口コミで広がります。適切な対応で満足してもらい、要望以上の対応で感動を与えればプラスにもなり得ます。

例えば飲食店で「請求金額が多く過剰に支払った」という電話を受けたとします。お客様に差額をお返しするのは当然の処理です。まずは支払方法の提案をしましょう。そして直接出向く場合はお詫びの品も持参し誠意を示します。振込、書留などの場合は、御住所とお名前を伺い、後日お詫び状、次回使える優待券などを送付すればお客様の気持ちは変わるでしょう。「ここまで気を使っていただけるとは」と、予想した以上の対応をすることでお客様の心は動いてくれるはずです。

クレーム対応では、お客様に感動を与えて固定客にするチャンスがたくさん潜んでいます。日頃からクレームに応じた引き出しを多く用意しておくことがポイントです。

対応を表した図

3、サービスの品質の向上

・サービスの品質

サービスが高い評価を受ける為には、サービスの品質を向上させることが必要です。サービス品質は正確性、迅速性、柔軟性、好印象、安心感、共感性があります。正確性や迅速性は成果品質の大きな影響を与えます。そしてレベルの高いサービスの実現には共感性と柔軟性が必要となってきます。顧客満足とはお客様の事前期待に対してサービスの評価がどうであったかで決まります。そして事前期待を把握するために必要なのが共感性です。お客様とのコミュニケーション、観察力を活かし、想像力を働かせてお客様の期待が何であるのかを感じ取るのです。お客様の期待は1人1人異なり、それに柔軟に応えることができれば、お客様はそのサービスの中にホスピタリティ(思いやり・心からのおもてなし)を感じてくれるでしょう。

・ホスピタリティーに繋がる3段階のサービス

①当然のサービス

どこでもしていて、あって当然のサービス

②満足度を高めるサービス

気配りが含まれた、よい印象を与えるサービス カスタマー・サティスファクション(顧客満足)に繋がるサービス

③要望を超えたサービス

お客様が求めるサービスを真剣に考えて、お客様が求める以上の感動を与えるサービス

3段階のサービスを臨機応変に提供することが、お客様に満足を感じてもらえ、結果その顧客満足は売り上げ・利益向上を達成させるでしょう。

サービスと顧客満足

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