OPPという素材について

2.第二話 やっぱりDMは「OPP」封筒でキマリ!

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ちょっと楽しみにしてしまうDMがあります。お茶の販売を専門としていて、その他健康食品なども取り揃えているお店のDMです。そのDMの形状はいつも決まっています。鮮やかな印刷が施されたA4サイズの「OPP」封筒が届くと、わくわくしてしまいます。その「OPP」封筒には一部、印刷していない透明の部分があります。その小窓から、オマケが顔をのぞかせているのです。オマケはダイエットに効くお茶、お通じを促進させるお茶、季節によっては鼻のムズムズがすっきり爽快になるお茶なんかも入っています。もちろん定期購入しなければ効果はないのですが、無料でいただいたお茶を飲みながら、中の冊子をのんびり読むのがなんとも贅沢な時間に感じられるのです。

 このお店と出会ったのは、カフェインの摂取を控えようと思った妊娠期間中です。その時はカフェインの入っていないコーヒー風味の飲料を買いました。希望と不安で悶々と過ごしていた時期に、コーヒー風味の飲料を飲んでほっこりと時を過ごしていました。出産後はほっこりする余裕もなくなりコーヒー風味飲料ともご無沙汰しています。でも最近、夫婦共々コレステロールと中性脂肪の上昇が気になってきたので、そろそろ他の健康茶に挑戦してみようかしら、なんて考えながら商品案内のパンフレットを眺めています。

 このDMの一番のお楽しみはもちろんオマケのお茶です。でも、DMそのものにも魅力があるんだろうなぁと思います。坊主くんをおんぶしてスーパーへ買い出しに出かけた帰り、坊主くんの重みと片手に提げた買い物袋の重みでふぅふぅ言いながら郵便受けの中にこのDMを見つけると、うひょっ!とテンションが上がります。特に買い物の帰りで雨が降り出してきたり、ちょっとした悩み事が気にかかっていたりして、元気がそがれていたりする時にこそ、このDMでパワーみなぎってきます。どんなに荷物が重くても、空いているほうの手で器用に郵便受けを開け、A4サイズの「OPP」封筒に入ったこのDMを取り出します。

 そう、「OPP」封筒は雨に濡れてもへっちゃらです。紙でできた封筒に入った郵便物が雨のせいで湿気を吸ってモッタリしていたり、波状のしわがよっていたりすると、あーあ……という気分になります。それが家族や級友からの手紙であれば、湿っちゃって残念だなぁと切ない気持ちがわき、送り主への愛情を再確認することもできます。しかし!それが不要なDMであれば怒り心頭プンスカプン!です。不要なDMとは、「めっちゃ重要なお手紙が入っていますよー」と見せかけておいて、中を開けたら「全然重要やないやんか!」というセールスチラシが雑然と入っているDMのことです。重たい坊主くんと手荷物に気をつけながら、わざわざ郵便受けを開けたらそこには湿気を吸ったしわしわの紙封筒。「お客様にとって重要な情報が入っています。至急お開け下さい。」の文字に、「うーん、たぶんそんなに重要じゃないと思うんだけど。でも、今開けないことでもしタイヘンな目に遭ったら困るしなぁ。」、と嫌な焦燥感に駆られます。部屋に持ち込み、不信感を抱いたまま開封してみれば……ほーら、やっぱり、となるわけです。残念ながらしわしわDMはそのままゴミ箱行きです。同じ会社からまた「重要情報が入っていて至急開けなければならない」DMが届いたら、今度はソッコーでゴミ箱行きが確定です。その点、「OPP」封筒は雨の日でも問題なしです。「OPP封筒」は、その会社が雨の日にお客様の手元に届いてしまう可能性を考えている証です。お客様に不快感を抱かせないように営業活動をする企業には好感が持てます。このように「OPP」封筒は、雨の日でも第一印象が悪いということはありません。

 さて、毎回お茶のオマケをつけてくれるこのDM、郵便受けに入っているとすぐに他のDMとの違いに気づかされます。もちろん「OPP」封筒の小窓からオマケのお茶が顔をのぞかせているからです。それだけでなく、この会社の社長の似顔絵が印刷されているところもポイントです。中に入っている冊子には社長の写真も載っているのですが、かなり善人顔に描かれている似顔絵とのギャップに笑ってしまったりと、この会社のDMはちょっとした娯楽にもなっています。

 でも、お茶のオマケをつけてくれるから、「OPP」封筒だから、社長のイラストが似てなさすぎるから、という理由だけでこの会社のDMの到着を楽しみにしているわけではない気がします。以前、コーヒー風味の飲料を買って以来届くこのDMに載っていたヘルシーおやつを購入したことがあります。DMにはお客様の声がたくさん載っているので、注文票の自由記述欄に「コーヒー風味の飲料、口に合いました。今回注文するおやつにも、期待しています!」とコメントを書いて申し込みました。おいしいヘルシーおやつも届き、あっという間に食べ終わったころ、タイミングを見計らったかのように手書きの絵はがきが届いたのです。季節感のある花の絵が描かれているはがきに、「おやつはお口に合いましたでしょうか。」という文言で様子うかがいをしているのです。これにはびっくりしました。話だけ聞いていると、「商魂たくましい会社だなぁ」とあきれてしまいそうですが、これが意外と嬉しいのです。メディアが発達してデジタルな世の中になっているのに、手書きというアナログな対応の温もりにココロがほんわかとしてしまった自分自身に驚いたほどです。普段は「OPP」封筒に入った一斉送付DMが一方的に送られてきているのに、わたしだけに手書きの絵はがきを送ってきてくれるという合わせ技が心にぐっとくるのでしょうね。この会社の営業手法にまんまとハマってしまった単純なわたしです。でも、日常生活に紛れ込んだちょっとしたことにココロが反応する自分自身に「あぁ、わたし人間なんだなぁ……」と感じてほっとしながら、オマケのお茶をすするのんきなおんぶ母さんなのです。

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