OPP、CPPとは何か

1.フィルム総論

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〔軟包装材料とは〕

包装用語には「軟包装」という言葉があります。「紙、プラスチックフィルム、アルミ箔、布などの柔軟性に富む材料で構成した包装、flexible packaging」と定義されています。内容物を入れることにより形状が作られる、しなやかで柔軟性のあるフレキシブルな包装材料を「軟包装材料、flexible package」といい、金属缶やガラス瓶、プラスチック製の成形容器のように、包装材料自体に剛性があり形状を有するリジッドな包装材料を「硬質包装、剛性包装、rigid package」といいます。

軟包装材料は、各種プラスチックフィルム・アルミ箔などを複合することにより、包装材料としての機能を高めることができます。包装材料に要求される機能は様々であり、一種類のフィルム材料だけでは機能を満たすことができない場合が多いです。したがって、軟包装材料は機能の異なる2種類以上のフィルムをラミネート(貼り合せ加工)した複合フィルムからなるのが一般的です。

軟包装材料は、食品、医薬品、雑貨などの直接包装(一次包装)あるいは間接包装(二次包装)として広く使用されています。特に消費者包装において重要な位置を占めており、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ディスカウントショップなどライフスタイルの多様化に対応して発達を遂げる分野において、軟包装材料の有する三つの機能、すなわち保護機能(バリア機能など)、利便機能(易開封機能など)、情報機能(商品アピール、各種表示など)が重要な役割を果たしています。
過去を振り返ってみると、袋詰即席ラーメンの普及に機械適性・防湿性に優れる材料の開発が、またレトルト食品の普及に耐熱水性を有するバリアパウチの開発が不可欠であったように、さまざまな技術革新の中で、多くの新たな軟包装材料が開発されています。

軟包装材料は、食品・医薬品など口に入れるものを直接包装するために使用される場合が多いことから、プラスチックフィルムなど原材料そのものの安全性、衛生性に十分に注意をしなければなりません。また衛生的な管理の行き届いた工場で印刷・ラミネーション(貼り合せ)・スリット(切り込み)・製袋などの加工を施し、パウチ形態あるいはロール形態で出荷されています。衛生管理に十分に配慮された環境と製造工程があってこそ、安全で衛生的な軟包装材料が提供できるのです。

〔プラスチック〕

軟包装材料の素材として多く用いられるのがプラスチックです。プラスチックは私たちの生活のいたるところで使われており、なくてはならないものですが、その歴史は浅く、包装用フィルムとして一番多く使用されているOPPでも、その原料の重合技術がイタリアから導入されたのは1962年頃、日本での工業化開始年は1968年のことです。

プラスチックはおもに炭素と水素からなる高分子化合物で、石油や天然ガスなどからつくられます。日本では原油を精製してできる「ナフサ(粗性ガソリン)」を原料にしています。ナフサを加熱・分解し、エチレン・プロピレン等の物質(低分子化合物)に変えて取り出します。さらに、得られた分子と分子を科学的に結合(重合)させ、新しい性質をもった物質をつくります。これらがポリエチレンやポリプロピレン等で合成樹脂や重合体(ポリマー)と呼ばれます。できたばかりのポリエチレン等は粉や塊で扱いにくいため、一旦溶かして加工しやすくする添加剤等を加え、粒上(ペレット)に形を整えます。通常この段階からプラスチックと呼ばれます。

プラスチックは大きく分けると二つに分類されます。熱すると柔らかくなり、冷やすと硬くなるものを「熱可塑性プラスチック」といい、それとは逆に熱すると反応して硬くなるものを「熱硬化性プラスチック」といいます。包装用には前者の「熱可塑性プラスチック」が使われています。

〔プラスチックフィルム〕

フィルムとは、一般に薄い膜状のものをいいます。厚いものはシートといいます。食品包装用途の場合、厚さが約250μm以下のものをフィルム(JIS規定)、これより厚いものをシートといいます。

〔製膜法〕

プラスチックフィルムの製膜法は大別すると、「溶液法」、「溶融法」、「カレンダー法」に分けられます。
「溶液法」とは、適当な溶媒を用いて液状とした後、製膜する方法で、溶液を凝固液中にフィルム状に押しだす凝固法と、溶媒を蒸発させてフィルムとする流延法とがあります。
「溶融法」は、熱可塑性樹脂が高温において軟化流動することを利用する方法です。口金の形状により、リングダイ法とTダイ法に大別されます。リングダイ法はチューブ状のフィルムが得られますが、切り開いてフラットフィルムにすることが一般的です。
「カレンダー法」は厚手のフィルム製膜に使用される方法で、原料を加熱しながら二本のロールの間を通してフィルムとする方法です。アルミニウム箔もこれに似た方法で、圧延法といいます。

このうち、軟包装用フィルムの殆どは溶融法によって成形されます。溶融法においては、フィルム性質の向上・熱収縮性付与のために、縦のみ・縦のち横・縦横同時と延伸することがあり、それぞれ一軸延伸・逐次二軸延伸・同時二軸延伸といいます。

製膜法

※Tダイ法
フラットダイ法、キャスト法とも言い、溶融製膜法の一つです。押出機先端に取り付けてフィルム成形品を押出す口金(ダイ)が幅広のT型となるので、この名前がついています。

※リングダイ法
ポリマーが押出される口金(ダイ)の形が円形になっていることからこの名前がついています。フィルム内部に空気を入れ、膨張させる加工のため、インフレーション法とも言われます。

〔フィルム延伸法〕

Tダイ法、リングダイ法で製膜されたフィルムは包装材料としてそのまま使用されることもありますが、延伸(引き伸ばし)すると、さらに優れた性質が付下されます。熱可塑性樹脂は延伸を行うと、フィルム内の分子は引き伸ばされた方向に引き揃うことになります。
ガラス転移点(※)以上、融点以下で一軸または二軸方向に引き伸ばし、鎖状分子を延伸した方向に配向させる処理を延伸処理といいます。この処理により、フィルムは配向方向の強さ・剛性・耐衝撃強度が増し、伸びが減少します。また、フィルム結晶化度が高くなるため、透湿度・ガス透過度は小さくなります。

※ガラス転移点
水は氷の状態と水の状態の二つに分けられますが、プラスチックは3つの状態に分けられます。プラスチックは結晶領域と非結晶領域がありますが、ガラス転移点になると非結晶領域の分子が動きはじめます。

フィルム延伸法

延伸処理が一軸方向のものを一軸延伸フィルム、二軸方向のものを二軸延伸フィルムという。一軸延伸フィルムは延伸方向とその直角方向の機械的強度の差が大きくなるため、引き裂きやすい性質がある。二軸延伸の場合は、耐屈曲疲労性も向上し、高強度・寸法安定性(伸びが小さい)・耐衝撃性・ガスバリア性などに優れた性質が付与されるため、広く利用されています。

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