「DM作成」入門講座2

3.誠意と自信を伝える紙面

前の文章に戻る 次の文章に進む

突然送られてくるDMに対し、若干の不信感を抱くお客様も少なくありません。しかし、最初の難関であるOE(外封筒)を開けてもらえたのです。ただし、その段階ではまだお客様がマイナスイメージを持ちながら恐る恐る中身を取り出している可能性もあります。そのマイナスイメージを払拭するために、全てのコンポーネントで誠意と自信を伝えるよう努めましょう。

一方的にDMを送るのですから、まずはご挨拶をする必要があります。つまり、企業の代表など責任者の名で書かれた手紙を添えることで、誠意を伝えるのです。さらにその手紙の中に、受け手にとって「お得感」を抱く文言がちりばめられていれば、マイナスイメージの払拭どころかプラスイメージさえもたらすことができます。本章では挨拶を兼ねて商品とお得情報(ベネフィット・ポイント)を伝える手紙(レター)の作成方法を中心にご説明します。

DM業界では手紙のことを英語で「レター」と呼ぶのが一般的です。レターでは、このDMがお客様にとって利益をもたらすという旨を伝える必要があります。そのため、冒頭、本文、末尾、そして追伸欄という各パーツで、表現方法を変えながら繰り返し「お得情報(ベネフィット・ポイント)」を伝えましょう。

誠意あるレターで、突然のDMが届けられたことによる不信感を取り除き、安心感を抱いていただきましょう。さらに、自信を持っておすすめできるベネフィット・ポイントをわかりやすく伝え、お客様がお得感に満たされる手紙をしたためましょう。

封筒を開けた時にまずはレターの冒頭が目に飛び込んでくるように封入しましょう。折り畳んで封入する場合には、題目が書かれた面が上になるよう留意しましょう。透明な「セロハン(セロファン)封筒」の場合には、外から商品の写真やプレミアムの情報が見えるようブローシャー(商品紹介)を一番上に載せてからレターを入れるなど、工夫を凝らしましょう。

たしかに、お客様が最もよく読み込むコンポーネントはブローシャーです。しかし、レターだけを読んでも商品・サービスの内容が理解できるようにしなければなりません。DMのコンポーネントは全てが重要な宣伝媒体です。レターも当然単なる挨拶状や添え状ではありません。心を込めて商品・サービスをアピールしたレターは、それだけで販促ツールとなります。

以下に、新規のお客様と既存のお客様それぞれへ宛てるレターの留意点をまとめます。

新規客に対しては、手紙の書き方の基本を押さえたオフィシャルな印象のあるレターで企業として信頼していただけるよう努めましょう。お客様に信頼していただいたうえで、ベネフィット・ポイントを明確にお伝えすることが、レスポンスしていただけるポイントとなります。

新規のお客様に宛てるレターの例

一方、既存客に対してはお得情報を前面に打ち出しながら、「あなたが特別なお客様である」こと、そして「あなたが大切なお客様である」ことを情熱的に伝えましょう。他のお客様と一律の扱いであることは読み手も当然認識しています。しかし、それでも自分だけを特別扱いしていると感じさせる内容に対し、既にご愛顧いただいているお客様であれば不信感を抱きません。文中に個人名を入れて語りかけるのが望ましいですが、「あなた(様)」でも構いません。お客様と1対1のコミュニケーションを取るレターでベネフィット・ポイントをお伝えすることが重要です。

レターのみならず、OEやブローシャーなど他のコンポーネントにおいても、誠意をもって自信を伝えることが重要です。開封後、順番通りレターから読み進めるとは限りません。そのため、全てのコンポーネントから誠意と自信が伝わるDMを作りましょう。絶対の自信を持っている商品を目玉としてDMを打つわけですから、その商品のPRにはとことんこだわりましょう。ブローシャーなどに目玉商品の製造工程を写真入りで説明する、従来品との比較を行う、特に自信のある部分の拡大図や断面図を載せる、検査結果や認証マークを載せるなど、根拠のある自信をお伝えすることで、お客様の理解を一層深めることができます。たとえば、海外の工場で生産している場合にはその工場での作業風景を写真に示すだけでも信頼感が生み出されます。従来のサービスにさらなるサービスを追加する場合には、その理由を添えて(お客様からの要望により、など)詳しく説明しましょう。素材にこだわりのある製品であれば、ミクロレベルの拡大図で説明することで遠目からではわかりにくい上質さを理解していただくこともできます。食品やマタニティ・ベビー用品などにおいては、第三者機関による検査結果や認証の情報が説得力を生み出します。

また、責任者の顔写真を載せることも有効です。社長や生産者が責任者として自信をもって商品・サービスを勧めることで企業に対する信頼が生まれます。顔を隠す必要がない、逃げも隠れもしない姿勢というのは、昨今の不安・不信の時代において信頼を築くための一要素となります。責任者が顔写真を載せることで、健全性・透明性・誠意が伝わりやすくなります。さらに、その責任者が商品・サービスを愛用していることを示せば自信の根拠となります。一方で、責任者の似顔絵をキャラクターとして載せれば、やわらかい印象が生み出され、お客様に親近感を抱いていただくことができます。責任者の似顔絵キャラクターはOEに印刷したり、透明な「セロハン(セロファン)封筒」を通して覗かせたりすることで、お客様がDMを手にした瞬間に微笑ましい気持ちを抱いていただくよう工夫しましょう。

安さが売りの商品であれば、その安さの理由を明かすことで説得力が増します。安かろう悪かろうでは、企業は持続しません。コストカット法を説明したり、モデルチェンジが行われる旨を報告したり、正直にB級品であることを暴露したりすることが誠意ある対応です。「海外の自社管理農場で栽培された無農薬野菜を使用」「在庫一掃のため」「見た目は悪いが味は老舗のアノ味」など、誠意をもって安さの秘密をお伝えすることが印象を上げます。

「リレーションDM」とも呼ばれる情報通信型のニュースレターや会報誌を送付する手法もあります。売り込むことだけに特化した販促ではなく、長期的な視点でお客様と楽しくリレーションシップ(関係性)を築いていき、お客様の信頼感を持続的に強化していくことが可能です。季節の話題や社長・社員のエッセイ、お客様投稿コーナーや耳寄り情報など、タウン誌の1ページを思い起こさせるような気軽に楽しめる内容などが挙げられます。1シーズンに1回、半年に1回、1年に1回など、定期的に発行し、お客様に楽しんでいただきながら自分たちの会社や製品のことを思い出すきっかけとなることが目的です。

買っていただくために読んでいただく、その謙虚さを常に持ちながらDMを作ることが重要です。誠意をこめて自信を伝えるDMこそが、お客様の安心・信頼を得ることができ、売上げを伸ばすことができる一流営業マンの役割を果たします。

前の文章に戻る 次の文章に進む