「DM作成」入門講座

4.透明性のある外観

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お客様が自分にとって不必要なDMであると判断すれば、そのDMはそのまま捨てられてしまいます。その判断は、OE(Outer Envelope:外封筒)で行われるのです。「中身が重要」と外見を侮るなかれ、まず開封してもらえなければせっかく試行錯誤を経て練り上げた中身まで進んでもらえないのです。そのため、OEのデザインには十分気を使う必要があります。本章では、お客様が開封してくださるOEの作り方についてご説明します。

企業からいきなり届くDM、そのDMを開封するかどうかが外観で判断されるという点において、OEは最初の難関といえます。「興味がないから」という理由でゴミ箱に捨てられるDMは今までも山ほどありましたが、昨今留意すべき点は不安感・不信感からDMを開封せずにゴミ箱へ捨てるケースです。個人情報流出への不安、組織としての企業体への不信、商品の安全性への疑問、など消費者は不安・不信に悩まされやすい状況が続いています。そのため、DMにおいても透明性が重要となります。何のDMか、というDMそのものの透明性はもちろん、そのDMを通して見える企業そのものの透明性まで、消費者の視点はシビアになっています。

お客様に安心、信頼して開封していただくには、OEに以下の情報を示すことが有効です。

  何のDMなのか 商品の紹介なのか、新規店の案内なのか、など

  お得情報 割引・バーゲンセール・抽選・先着プレゼント・無料進呈、など

  差出人 どこから届いているのか、何を扱う企業なのか

多くの情報を限られたスペース内で見やすく示すのは容易なことではありません。しかし、外観でどれほどお客様に対してアピールできるかにDMの醍醐味があります。

お客様に安心、信頼していただいた上で、さらにお客様を魅了し開封したいと思っていただくために「締め切り迫る!」「今すぐ!」「キャンペーン実施中」などのティーザーコピー」(お客様を駆り立てる言葉)をOEに印刷したり、透明な「セロハン(セロファン)封筒」の場合は中の文書に印刷しておいたりすることが有効です。

もちろん、官公庁から届く重要文書をイメージさせるシンプルな封筒に「親展」「重要」を印字することで、受け手に改まった気持ちを湧き起こしてもらい開封していただく、という方法もあります。外封筒だけでは何のDMかがわからない外観で好奇心をかき立てて開封に至るケースもあります。趣向を凝らした特殊封筒など、デザイン性を重視した封筒を使うという手もあります。

一方で「セロハン(セロファン)封筒」のような中が透けて見えるOEを用いることで、受け手が発信元の透明性を感じ安心して開封する場合もあります。透明な「セロハン(セロファン)封筒」は、DMの中身が一目瞭然です。ブローシャー(商品案内)や、プレミアム(値引き・景品)を紹介している書面などの全て、あるいはそれぞれの一部が外から見えます。そのため、開封する以前に中身が既に情報を発信しているので、外封筒のコピーやデザインに費用や労力をかけることなく、お客様へ安心・信頼の材料をご提供することができます。また、化粧品やサプリメントなどの商品サンプルを同封することで商品案内を兼ねる場合にも、透明な「セロハン(セロファン)封筒」を使えば中身がよく見えるので、安心、信頼していただくために便利なツールとなります。このような視覚・触覚に訴えかけて開封を促すアイテムを「ドア・オープナー」と呼びます。ドア・オープナーとして一般的なアイテムは商品サンプルのほか、実用的であり且つ申込用紙の記入にも使えるボールペンなどが挙げられます。DMの封筒に書類以外のアイテムが入っているのが視覚、触覚でわかると、人はどうしても気になって封を開けてみたくなるので開封率が上がります。そして、実際レスポンス率も上がるというデータが出ています。ただし、ドア・オープナーを入れる場合にもやはりある程度は透明性が重要になります。透明な「セロハン(セロファン)封筒」からドア・オープナーが見えることが、文書以外の物品を「無料でもらう」ことに対するお客様の躊躇を軽減させてくれる役割を果たしてくれるからです。特にサプリメントや食品など口にするドア・オープナーは、開封前に見えている方が、不透明なOEで隠されている場合に比べて試飲・試食への抵抗感が減ります。このように、「見える」ことで得られる安心感・信頼感は昨今の不安・不信の時代において有効です。また、頻繁にDMを送る場合には、都度デザインを変える必要がなくシンプルで廉価な「セロハン(セロファン)封筒」を用いることで、コスト意識の高い企業とお感じいただき、信頼を得られるケースもあります。(「セロハン(セロファン)封筒」使用例 左 参照)

なお、紙封筒と同様に、「セロハン(セロファン)封筒」にもティーザーコピーやイラストなどを印刷することができます。印刷を施した「セロハン(セロファン)封筒」でも、封筒の一部を透明なまま残しておけば、封入物に印字された宛て先をのぞかせることができます(「セロハン(セロファン)封筒」使用例 右 参照)。

また、「セロハン(セロファン)封筒」は水に強いため、雨でOEがふやけたり水分が中にしみこんだりすることもなく、お客様に清潔さを感じていただけることもあります。さらに、フィルムと紙など複数の素材でできているOEに比して、紙封筒や「セロハン(セロファン)封筒」など一種類の素材でできているOEはリサイクルにより適していると判断され、環境へ配慮する企業として信頼していただくこともあります(各自治体のルールに従って分別していただくよう文言を添えると丁寧です)。

「セロハン(セロファン)封筒」使用例

  左: 透明な「セロハン(セロファン)封筒」の中に、上部に宛て先・下部に案内と割引券を印刷した文書を封入

  右: 宛て先部分のみ透明なまま窓として残して印刷を施した「セロハン(セロファン)封筒」 中には宛て先を印字した文書を封入

どのような封筒が開封率を上げるか一概には言えませんが、基本に立ち返り、最終目的である売上増のために「まずは安心、信頼して開封してもらう」ことを目指して、OEを選定しましょう。社内の仲間やその家族、友人などの意見も参考になるかもしれません。

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