「DM作成」入門講座

3.送付先の「正しい」選定

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まずはDMの送付先となる対象者の名前、住所などを載せたリストを作成します。お手元にある顧客リストや会員名簿などご自身の企業が今までに接触した方の情報が載っている名簿を「ハウスリスト」と呼びます。Excelなどの表計算ソフトを利用して簡便且つ安価にデータベースを作ることが可能です。顧客管理データベースを作っておけば、DM作成の都度、宛て先を選定することができます。

闇雲にDMを送りつけても、反応は期待できません。的外れなDMが届けば、受け手は封を切らずにゴミ箱に捨てるでしょう。そのため、DMの目的に応じてリストの絞込みをする必要があります。このリストの絞込みをセグメンテーションといいます。リストに示される属性(住所、氏名、性別、年齢、職業など)から、DMの目的に合う対象者をピックアップすることで絞込みが可能です。たとえば、新色ビジネスバッグのDMを送付する場合、データベースに載っているリストの属性の中から「女性」「25歳以上」「有職」とピックアップすることで選定することができます。このように、DMの目的に合わせたセグメンテーション(細分化)を経てDMを送付する対象者であるターゲットを決定します。

併せて、ハウスリストのメンテナンスにも留意しましょう。宛て先不明で返送された対象者をリストから削除します(リストの消込み)。このようにリストの絞込みと消込みを行うことで、レスポンス率を上げ不着率(宛て先不明で返送される率)を下げることができ、DM送付にかかる無駄を減らすことができます。

ソーティングの例

住所

店舗付近に居住している方へ、大処分祭のご案内

最終購入日・最終購入品

購入した化粧水を使い切る時期を予測し、次回DMに乳液・洗顔石鹸とのセット割引を告知

【購買予測マーケティング】次回購入時期と購入物品を予測してDMを送付

購入回数

ヘビーユーザーへ、「ご注文回数10回突破記念 限定割引」チケットを送付

合計購入金額

上位20%の方へ、「VIP限定!ご優待」チケットを送付

ひとつのリストができあがったからといって、リストが「完成した」わけではありません。「売上を伸ばすこと」というDM送付の目的に終わりがないように、リスト作成には終わりがありません。売上を伸ばしていくには、売上を支える顧客を増やす必要があります。つまり、DM送付対象者を増やしていかなければなりません。努力と工夫次第で、リストに載っている宛て先は増えていきます。以下にハウスリストを充実させるための方法を挙げます。

MGM(メンバー・ゲット・メンバー)

   「お友達をご紹介いただいた方は、次回購入時○%OFF!」などの友人紹介プログラムを行うことで、既存のリスト掲載者が起点となってその周辺者がリストに追加されていきます。友人を紹介することで、紹介者と友人の両者ともに特典を受けられるようにし、DMの中にその告知と併せて友人紹介はがきや友人用の申込書を同封します。

商品案内と資料請求方法の告知

以下の方法でお客様に住所氏名などの情報を提供していただきます。

・「広告」

新聞、雑誌、タウン誌(プレゼントコーナーや耳寄り情報コーナー)

テレビ、インターネット、ラジオ

・「チラシ」

新聞折り込み、ポスティング

街頭配布(マスクなど一風変わった粗品を同封すると効果が期待できます。)

・「テークワン」

銀行、レストラン、ショップ、タクシー会社などに依頼し、出入り口やレジ付近、座席など目につきやすいところに広告を設置したり、商品の包装袋に予め広告を入れておいたりします。その店、企業が許可している安心感がレスポンスアップにつながります。

   ・「ホームページ」

      自社のホームページに申込みフォームを設置します。

   ・「テレマーケティング」

      専門代理店、コールセンターに依頼すれば、大量のアプローチが可能です。

   ・「イベント、セミナー」

      自社で、あるいは他社とのイベントやセミナーを開催し、告知します。

  外部リストの購入

   リスト・ショップでリストを購入するという方法もあります。費用はかかりますが、リスト・ショップに対して目的に合う属性を伝えれば、「中小企業代表者リスト」、「弁護士リスト」、「大学生リスト」など、データベースから抽出した対象者の情報を購入することができます。メンテナンスされている新しいリストを保有しているショップを吟味し、不着率が高い場合の代金保証があるかも確認しておくことが重要です。

このようにしてハウスリストを充実させ、DM送付対象者を増やすことができます。

上述したとおり、Excelなどの表計算ソフトを使ってハウスリストを作成することで顧客管理はできます。ただし、もしも予算が許されるのであれば、入力後のデータを効果的に分析できる顧客管理用データベースを備えることで、都度手入力する手間を省くことができ、時間と労力の削減が期待できます。たとえば、ポイントカード制をとって「ポイントカード」「カードリーダー」「データベース」を連動させると、購入履歴(購入した商品、購入日時、購入金額)が自動的にデータ化されるようになります。すると、ソーティングの例でも挙げたように、タイミングよく「○か月前に化粧水を購入したお客様に対して、乳液と洗顔石鹸とのセット購入がお得になるDMを打つ」ことが可能になります。また、RFM分析と呼ばれる手法を用いて、重点的にDMを送るお客様を選定することも可能です。Recency(最新購買日)・Frequency(購買頻度)・Monetary(購買金額)を分析し、この3点から「最近購入した履歴があり、頻繁に購入していて、購入金額が高い」お客様をピックアップします。このような「売上に貢献してくださるお客様」に対して重点的にDMを打つことでDMの効果を上げることができると言われます。

できあがったリストは、二度、三度と利用しましょう。ここに「再送の法則」が見えてきます。まずはリスト通りにDMを送り、レスポンスを確認します。次に同じリストでもう一度DMを送ります。二回目のレスポンスは初回のレスポンスの約半分に減ります。三回目にDMを送ると、レスポンスはさらに減ります。しかし、ここでレスポンスは一定してきます。その後、四回目、五回目と回数を増やしてもレスポンスが固定してくるのです。これが「再送の法則」です。同じリストを用いた複数回のDM送付を経てレスポンスが固定してくれば、次回以降の購入者数などの予想が立つことで予算の組み立てが容易になり、効率が上がります。また、再送時のレスポンス・アップのために以下のようなポイントに留意しましょう。

・期間を置かずに再送する

・DMの趣向を変える「チェンジ・オブ・ペース」(特典を変える、封筒のデザインを変える、など)

ハウスリストが充実していくことと並行して、全顧客に対して十把一絡げに同じDMを同じタイミングで送っていると、費用対効果を下げる可能性があります。それだけでなく、RFM分析なしにDMを送り続けたり、再送の法則を実施した結果レスポンスが全く期待できないお客様に対してDMを送り続けたりする姿勢は、しつこい企業とのイメージも付きかねません。データベースを効果的に用いてセグメンテーションを図ることで、DM送付対象者の「選択と集中」が可能になります。DM送付にもコスト意識を持ち、さらに受け手となるお客様の心情も推察しながら、DMをより一層効果的な販促ツールにしましょう。

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